あれは98年の10月の話し・・・・
その日僕の友人のヒロシ・アサミ・シズヨ・フミエの4人は僕の家に泊まりに来ていた。
もちろん飲み会の為だ。
僕の家族はみんな出かけていた。
姉は彼氏の家に、妹と両親は知り合いの飲み屋に。
朝まで飲む絶好のシチュエーションはできていた。
10時から始めた飲み会もさすがに2時ごろになると、みんな酔いはじめていた。
酔い覚ましもかねて近くのコンビニまでアイスでも買いに行こうと僕は腰を上げた。
フミエも一緒に付いてくると言い出しヒロシ・アサミ・シズヨの3人を残して
僕等はコンビニに出かけた。
誰も家族が居ないのでカギはしっかりかけていった。
そして僕等はアイスを買って10分程で家に戻った。
カギを開けて僕の部屋のある2階に上がり、ドアを開けた。
「ただいま。」 ヒロシがすぐに返事をした。
「あ、おかえり。そうそう!そういえばさっき家族の人が帰ってきたみたいだよ?」
あれ?今日は4〜5時になるまで誰も帰ってこないはずなのに・・付け加えてヒロシが言った。
「隣の部屋は姉ちゃんの部屋だろ?姉ちゃんじゃないの?」
「階段上がってくる足音聞こえたし。」 隣の姉の部屋を覗いてみる。
誰もいない。
妹の部屋も覗いてみる。
誰もいない。
1階に降りてすべての部屋、トイレなども見て回る。
やはり誰もいない。
僕はヒロシに言った。
「酔っ払ってたんじゃない?誰もいないよ?」
「え?そんなわけないよ!階段上ってくる音も聞こえたし
ドアのガラス越しに緑の服着た人が見えたよ?」
アサミとシズヨも階段の音を聞いてるし、その緑の服の人を見たと言う。
「まぁ家族の誰かがいったん帰ってきたのだろう」と みんなでお互い納得させあった。
「チリリ〜〜〜〜ン♪」玄関の開く音だ。
鈴が付いているので開けると例外なく鳴るようになっている。
家族が帰ってきた。
すぐに家族のみんなに聞いてみる。
「2時過ぎごろ家に帰ってきた?」
しかし誰も帰ってきてないと言う。
ヒロシが言った。
「そういえばあの玄関の鈴の音鳴らなかったよな・・・・あの時・・」
玄関以外の出口はみんなカギがかけてあって出入りできるのは玄関だけだった。
そしてヒロシの話しによると、緑の服の人は隣の部屋の方に行った、と言っていたが
姉の部屋の方ではなかった。
僕の部屋の姉の部屋側ではない反対側の部屋・・・
それは使われていない物置。
誰が僕の部屋の前を通ったのだろう・・・・
次の日。
違う友達のショウとアキコが遊びにきた。
アキコは深夜のバイトのせいか眠いと言って寝てしまった。
しかたなくショウと僕は1時間程雑談をした。
1時間たってアキコが泣きそうな顔で飛び起きた。
「どうしたんだ?アキコ?」
「知らない男の人が・・ぐれいすんとショウの後ろにいて・・
ずっとこっちをみていて・・かなしばりにあっていた・・・・」
さすがに僕はぞっとした。
数日後に母にこの奇妙な出来事を話すと母はこう言った。
「あんたの部屋?」
「ああ・・・あんたが居ない時、時々ドタバタあんたの部屋で聞こえるよ。」
・・・・・
僕の部屋には誰かいるのか?
なにがいるのか?
そしてそれは今もいるのだろうか・・・・・
今これを書いてる僕の後ろに・・・・・・・