あれは、ある蒸し暑い日のことでした。
その日私は、彼と彼の友人と共に海に行きました。
3人とも遅くまで、思いっきり波乗りを楽しんだ為か
帰りのクルマは交替で運転していこうということになりました。
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何時間ぐらい経ったでしょうか?
地元の方まで来た時には既に、12:00AM近くに なっていたと思います。
その時私の彼は後部座席で熟睡中で、私は助手席に
そして、彼の友人が運転をしていました。
友人宅に近付いた頃、辺りは田んぼに囲まれた細い道にさしかかりました。
ふと前方を見ると、道路の隅に田んぼに背をむけて
体育座りをしている少年が見えました。
「こんな時間に何してるんだろう?」
そんなことを思いながら 私達のクルマは どんどんその少年に近付いて行きました。
そして通り過ぎたその時 私はふと辺りに違う空気が流れているのに気付きました。
「今の子何してたんだろうね?」
すかさず友人に問いただすと
「えっ何が?」 友人がとぼけてるのかと思い、私は再度聞きました。
「え〜今そこに男の子いたじゃん。」
「何言ってんの?誰も居ないよ」
友人はそう言って、バックミラーを何度も見ていました。
確かにその道はまっすぐな一本道なので ミラーをみれば一目瞭然のはずなのに・・・
私は急に怖くなり、それでも必死で その少年の存在を どうしても知って欲しくて・・
「だって今、丸刈りで白い体操着を着た子が
あそこで体育座りして、こっち見てたじゃん!」
半分やけになって言ってみました。
すると友人は冷静にこう言いました。
「だって考えてもみろよっ。こんな夜中になんで
体操着着た子が道路に座ってるんだよっ!!」
確かにそうでした。
あんな夜中に道路に座ってる子供なんて。
常識的に考えてみても・・・
いないですよね。
じゃああの少年はいったい・・・?