肝試しは誰でも一度はやるかもしれません。
私は中学生の頃、こんな肝試しをやったことがあります・・
学校の怪談はどこにでもあります。
私の学校にももちろんありました。
そこで、友人達三人と肝試しを企画しました。
昼間、教室にある自分達の机の中に 各々作った<証明書>を置いときます。
真夜中に集まり、ひとりづつ学校へ忍び込みその<証明書>を取ってくるのです。
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夜 、12時を少し廻った頃 私を含めたメンバー四人が集まりました。
ジャンケンをして順番を決め、私が最初になりました。
二階の窓はどこかしら開いているものです。
器用にベランダに登り、開いてる窓を見つけ中に入りました。
もちろん赤外線探知器を跨いで入ります。
まるで怪人二十面相にでもなったような気分で 怖いとは思いませんでした。
侵入した教室は一年生の教室で 私達の教室は三階。
なんなく<証明書>をゲットした私は 非常灯の薄明かりの中一階まで降りていきました。
・・・その時です。
足音が聞こえたのです。
誰もいないはずの廊下に、私以外の足音が・・・
友人達の悪戯か?
それとも警備会社の人か?
カシュ、カシュ・・・
妙な足音です。・・・(おかしいな)。
私は咄嗟に隠れました。
カシュ、カシュ、カシュ・・・
だが、このままでは私の隠れている場所は いずれ見つかってしまう。
私は背後のドアを開けようとしました。
・・・が開かない。
焦った私は、ドアの上にある明かり取りの窓が開いているのを見て
最小限の音でよじ登り、中に逃げ込みました。
心臓がドキドキしました。
でも、おかしな足音の正体が気になって仕方がない。
あの足音はそのドアの前に近づいてくる。
私はその部屋―音楽準備室―の椅子を使い 明かり取りから廊下を覗き込みました。
「・・・!!!!」
その正体を知った時、音がするのもかまわずに逃げ出しました。
あの時の逃げ足は尋常ではなかった。
探知器などおかまいなしで、窓を開け夜の校庭に飛び出していったのです。
友人達は血相を変えた私に驚き、とにかく学校を去りました。
一刻も早く逃げなければならなかったのです!
なぜなら、私の見た足音の正体は
あの理科室の人体模型だったからです。