最近、私の身のまわりに奇妙な事が次々と起こっているんですが・・
このお話はそんな私の体験のひとつです・・・
私は、オーストラリアのシドニーに住んでいて
○○○○○○と言う町に住んでいます。
その町には、とても小さな電車の駅があるんです。
そして、その駅の出入り口のようなトンネルがあるんです。
私はいつも学校の帰りに その小さなトンネルを通らないといけないんです。
そのトンネルは、昼間でもすごく薄暗いのに
私はいつも夜に通らないといけないといけないんです・・・
ある夜
いつものように学校の帰りの電車の中で 半分寝ながら参考書を読んでいると
後ろから赤ん坊の泣き声が聞こえて来たんです。
そんなのいつものことなので 気にせずにページをめくろうとすると・・・
なんか・・妙な泣き声なんです・・・
泣き声と言うよりうなり声だったようです・・
その声はなんだか・・低くて・・妙に声が大きいんです・・
変だと思って後ろを振りむくと さっき満員だった車輌の中には
さっき泣いていた赤ん坊が寝ていた乳母車と
その乳母車を握っている女性しかいませんでした。
なんだか様子がおかしい・・
そう思っていると私が降りる駅で電車が止まりました。
急いで電車を降りると、後ろのドアがしまりました。
あの女性と赤ん坊のコトをしばらく考えながら歩いていると・・・・
あの恐怖のトンネルが見えてきました・・・
「・・また通らなきゃいけないのか・・」
そう思いながらもトンネルに足を踏み入れると
反対側から、だれかが歩いて来てるのです。
いつもなら、「よかった〜。人がいた〜。」 と、ホッとするのですが・・・・
その人の姿がだんだん見えてくると寒気がして
ゾっとしました・・
さっき電車の中に居たあの女性と 乳母車に乗った赤ん坊なんですっ!
さっき電車から降りたのは私だけだったはずなんですが・・・
更に、トンネルを通らないと反対側には行けないはずなんです。
でもトンネルに先についたのは私・・・・・
これはおかしい・・ と思ったんですが
私は黙ってその女性と乳母車を横ぎりました・・
が・・
その女性とすれ違った時の事です・・
さっき電車の中で泣いていた赤ん坊の死体が目に入ったのです。
薄暗いトンネルの中でも その赤ん坊は死んでいた事がすぐにわかりました。
小さな口から大量の血が滴れていて、顔は真っ青で白目を向いていて
更にその青い頭の下には・・
小さな小さな手が激しくもがいた後の様に女性の方へ上がっていました・・
私は暗闇の中でしたが、何故かはっきりと見えました。
女性の方は、私をちらっとも見ないで、赤ん坊に話かけていました。
英語でも日本語でもない妙な言葉で死んだ赤ん坊を見おろしてボソボソと・・
私は、恐ろしさのあまり、体が硬直して 思わず立ち止まってしまいました。
足が固まってしまって、暫くそのまま動けませんでした・・・
その女性は、ゆっくりと乳母車を押しながら歩いて行き
そして急に・・
「ふふふ・・」
と、とても不気味な声で笑いをあげました。
せまいトンネルの中で、その不気味な声は、響きました・・・
再びやっと歩き出した私の足には、鳥肌が立っていました。
改めて言うのもなんですが、こんな恐怖は始めて経験しました・・・
あの女性はいったい誰だったのでしょう・・
なぜあの赤ん坊は死んでいたのか・・
あのトンネルは、私が生まれるかなり前からあったらしいです。
もう50年は存在しているとか・・
あれから何度もあのトンネルを通ってますがいつもなるべく早く帰ることにしています。
ときどき遅いときには、ほかの人がいるのを確認してから通ってます。
でもあれからなにも起こりません・・
あの女性は、昔の霊だと思います。
昔、あのトンネルで、何があったのでしょう・・・