GHOST TAIL

JuJu:怖い話と百物語

百物語

静かな見守り
1999年/投稿者: (No name)

私の学校に2人の新しい教授が入って3か月になります。

地学系の中国人と経済系のブラジル人なのですが

それなのにクラスの三分の一が教授が3人来たような認識をしており

「新しい教授でドイツ人がいるだろう」などと言っていました。

それは赤毛で背の高い痩せた老嬢で

右足が少し不自由で 常に持っている哲学の本から ニーチェなどを引用しながら

ドイツ訛りの英語で喋るそうなのです。

教授は2人しか来ていないのだからそんなはずはありません。

ゲルマン系の留学生で40歳以上の人はいませんし

他の教授の母親などが訪ねて来るということはあり得ません。

実際僕はそんな人は一度も見た事はありませんが



その人の特徴が今は亡き祖母と重なるようで、非常に気になります。



身体的特徴もそのとおりながら、話し方やキザな引用を好むなど

考えれば考えるほど落ち着かない気分になります。

祖母はスウェーデン人ですがスウェーデン語は

ゲルマン派生語の中でも特に原形に近いそうです。

つまり、英語を話してその訛りに含まれた場合

ドイツ訛りとはほとんど区別がつきません。

僕は彼女がなんだかわからないけど



祖母と似た外見をしていることを認めています。



というか祖母ではないかと思ったこともあります。

僕の友人は家に来て祖母の写真を見て以来

その「教授」と遭遇しないことを願いそのあと彼女を見たことがないそうです。

未だに遭遇のないまま彼女の噂はまだよく耳にします。