GHOST TAIL

JuJu:怖い話と百物語

百物語

最後の一枚
1999年/投稿者: (zen)

これは私の先輩が実際に体験したお話を元に掲載しています。

ある日、私と友達Aは「心霊写真」を撮りに行こうと

興味本意で自殺の名所でもある 「●●の滝」へ車で向かいました。

私が運転をしてAが地図を見ながらナビゲーターをしてくれました。

数時間後 ようやく「●●の滝」周辺まで来た事をAが確認してくれ

一度車を路肩へ止めて二人で場所の再確認をしました。

「あれ?もうこの辺じゃないか?」と私が言い

Aが 「そうだよな・・おかしいな、もう滝が見えてもいいはずだけど・・」

「ちょっと歩いて探してみるか」と言いました。

私もそれに同意して車のエンジンを切って周辺を歩いていました。





















20分ぐらい歩いていましたか・・・





















突然「ゴーッ!」 という音が何処からともなく聞こえてきました。

私達はその音のする方へ向かい、足早になりました。

周りは森林に囲まれ結構薄気味悪いとこでしたが

音を頼りにようやく 「●●の滝」までたどり着く事が出来ました。

しかし、私達がついたのは「滝の上」ではなく「滝の下」

つまり「滝壷」の方にたどり着いてしまったのです。

私達は「まぁ、いいか」といいながら

手っ取り早く持っていたカメラであちこちを撮りました。

そんな事をしているうちに、だんだんと日が暮れてきたので

「そろそろ引き返すか」 という事になりました。

最後に一枚フィルムが残っていたので滝に向かって 「パシャッ!」 と撮ってから帰りました。

お互い次の日は仕事だったので 家に着いたらAも帰り

私もすぐに寝床に付いてしまいました。






















数日後・・





















Aから電話がありました。

「・・なぁ・ちょっと見て欲しいものがあるんだ」 となんだか弱々しい声で言うのです。

「どうした?」 と私が聞くと

「この前撮った写真なんだけど・・なんか変なんだ・」

私はとっさに、「心霊写真だ!」と思いました。

「やっぱり写ってたのか?」と聞いても Aは無言でした。

私はAのその時の声を聞いてちょっと恐くなりましたが

とりあえずなんとなく不安だったので Aの家まで行ってみる事にしました。

一人暮らしのAは、自分の部屋に暗室を設け、写真を現像していました。

私はさっきのAが言ってた事が気になり

「どうした?何が写ってたんだよ」と聞きました。

するとAは 「いいからとりあえず全部見てくれよ」 そういうAはガタガタと震えてました。




明らかに様子が変でした。




あたりまえですが24枚撮りのカメラで全部撮りましたから写真は24枚あります。

「どれだ?その写真は?」と聞くと Aは無言でテーブルの方を指差しました。

「いったい何が写ってるんだ・・」

そう思いながらテーブルの上にある写真を手に取りました。








すると・・・











「なんだこれ!全部真っ黒じゃないか!」










そう、写真はすべて真っ黒だったのです。

滝の周辺の森林や、滝壷、ちょっとした風景写真

あるはずの写真が全部真っ黒になっていたのです。

「なんだよこれ・・ただカメラが壊れてただけじゃないか?」

「そんなに脅える事ないじゃん!びびらせんなよ全く。」

Aにそう言いながら 私は最後から二番目の写真がやけに分厚い事に気づきました。

「ん?なんだこれ??」

Aは相変わらず震えていました。
















実は、最後にとった一枚の写真は 最後から二番目の写真にくっついていたのです。















「うわぁぁーー!!!」

その一枚をめくって私は絶叫しました。

Aがあそこまでおびえてる理由が今やっと分かりました。

その写真は確か最後に撮った「滝全体」の写真だったはずでした。

しかし今手元にあるこの写真にはそんなもの写っていませんでした。

誰もが予想しがたいとんでもないものが写ってるんです。

それは・・

























赤いワンピースを着た髪の長い女が

滝の上から逆さになって
こっちを見て笑ってる写真なんです。





















あの時、あの場所には私達二人しかいなかったはずなのに・・

しかも何故飛び込む瞬間の写真が・・

私の足は震えてました。

数日後私とAは近くの神社に例の写真を持って行きました。

きちんとお寺で供養していただいて

私達はあの滝で亡くなったであろうあの女性のご冥福を祈りました。

そしてもう二度と自分から心霊写真などを撮ろうとは思いませんでした。

皆さんも気をつけて下さい。

自殺の名所というものは

様々な無念の思いを残して死んでいった人達の霊が集まっています。

このお話を参考にして

決して興味本意で 霊たちの領域に足を踏み入れないようにして下さい。

彼らは次の犠牲者を待っています。