何年か前にわたしのいとこが体験したお話です。
夏の夜にわたしのいとこのkは友人3人と車で
「でる」
と噂されるトンネルへと向かいました。
夜中の2時くらいだったそうですが・・・
そのトンネルに着いた頃にはなぜだか霧がうっすらとかかっていました。
今は使われていないトンネルなので真っ暗です。
kと3人は車でそのトンネルの中へと進んでいきました。
「とりあえず、奥の方まで行ってみようぜ」
ということになったので、そのまま走らせていきました。
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けっこう長いトンネルでした。
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しばらくその中で車を止めて他愛のない話をしていました。
そのときです。
ザッザッザッザッ・・・・・・
という音が4人の耳に入ってきました。
「何の音だよ・・・・これって・・・」
「もう出た方がよくないか?そろそろ眠くなってきたしさ」
「もう少しいいじゃんか。せっかくこんなとこまできたんだから・・・」
ザッザッザッザッ・・・・・・
規則正しい音でした。
それに心無しか、さっきよりも大きく聞こえてきました。
ザッザッザッザッザッザッ・・・・・
辺りはいつの間にか、深い霧がたちこめています。
「・・・トンネルの・・・中なのに。こんなに霧がかかるもんなのかな」
「なぁ、この音ってさ、なんか・・・軍隊の行進って感じじゃねぇ?」
「そういえば、そんな感じもする・・・」
「なあもういいだろ、出よう!」
「その方がよさそうだな・・・帰ろう」
と、友人がアクセルを踏もうとした瞬間
その音がいきなり大きくなり、辺りがいっそう白くなりました。
ザッザッザッザッザッ!
「うわぁああああ!!」
窓の外には、昔のぼろぼろの軍服を着た兵隊らしき人達が沢山沢山いたのです。
中には片方の腕がちぎれた人、血だらけの人もいました。
そしてその人たちはトンネルの出口の方へと行進を続けていきました。
すこしも列をみだすことなく・・
4人は慌てて来た道を戻りましたが
まだ彼等の耳には重々しい行進の音が残っていました・・・
しかしそのトンネルの出口は一つだけ。
4人が入ったところの反対側はもう潰されてなくなっているそうなんです。
終わらない行進を続ける人たちは、まだきっと、そこに・・・