話ボックス
投稿者/zen


このお話は 私がまだ今の住所に引っ越してくる前の住所で 大変噂になったお話です。 その前の住所の近くの公園の裏には「宇宙科学館」という プラネタリウム付きの科学館があるのですが その入り口付近にある電話ボックスを夜中の2時に使うと変な声が聞えるらしいのです。 よくある噂話しだと誰もが思っていたのですが・・中にはそういった話しに敏感な人もいます。 今回はそれを実際に確かめに行った 勇ましい二人の男性の体験談をお話致します。 仮にT君とS君としましょう。 待ち合わせをして彼らが現地に到着したのは 深夜2時になるちょっと前ぐらいでした。 二人とも怖いのは大好きですがそんな噂を聞いた後では 夜中に薄暗い光を放つ電話ボックスは流石に不気味に見えてきます。 「よし・・行ってみるか・・」 TがSに言いました。Sがテレホンカードを片手にTと並んで電話ボックスに向って歩いて行きます。電話ボックスの前にくるなり、突然Tが「一緒に入ろうぜ」と言い あの狭い電話ボックスの中にTとSは二人で入ったのです。 きっとTも一人じゃ怖かったのでしょう。 ギュウギュウににつまった電話ボックスの中で Sが頑張ってテレホンカードを差込みます。そしてSが言いました。 「どこに電話するか・・?」 そうです、何処に電話をかけようが こんな真夜中に電話するなんて非常識です。 仕方なく二人はお互いの家のどちらかに電話する事にしました。 一度電話ボックスから出て、二人はじゃんけんを始めました。 負けたのはTでした、結局Tの実家に電話をかける事になり 二人はまた電話ボックスの中に入りました。Sがカードを入れ、素早くTが自宅の電話番号を押していきます。 「プルルルルルル・・」 「プルルル・・」 何度かコールしているのですが、誰も出ません。 「誰も出ないし、やっぱもう寝てるよ」 TがSにそういうと 「ちょっと貸して」 Sも確認がしたかったのでしょう。 Tから受話器を奪い取り、Sが受話器を耳にあてます。すると・・ 「ガチャッ・・」 誰かが出たのです・・ 「おい、誰か出たぞ!」 SはすぐにTに受話器を返しました。自分の家ならともかく他人の家にこんな夜遅くに電話をかけたら 非常識だと思われてしまいます。 Tが 「もしもし・・?」 きっと両親のどちらかが出たのだとTは思っていました。 しかし、受話器の向こうからは全く予想外の声が聞えて来たのです。 「ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああ」 「!!!!!?」 それは女の声で、なんだか遠くの方からこちらに近づいてくる様な声なのです! 「ぁぁぁああああああああああああ」 明らかにTの両親の声ではありません。その声は横にいたSの耳にも届く程、どんどん大きくなってきます。 「お、おい、なんだよそれ・・?」 Sが青ざめた顔でTに聞きます。 「ぁぁああああああああああああああ」 「ガチャン!!!ピピーッ・・ピピー・・」 Tは慌てて受話器を置きました。「これ、ヤバイよ・・もう行こうぜ」 「い、今の声・・なんだよ・・?」 Sがしつこく聞いてきましたがTはSを押しやるようにして外に出ました。そして、ふとTとSが今出て来た電話ボックスを振り返ると そこにはとんでもないものが映っていました。 反射した電話ボックスのガラスの向こうから女が走ってくるのです! 反射したガラスの向こう・・・・つまりそれはTとSの背後です! TとSは思わず振り返りました!が・・ 誰もいないのです・・走ってくる音も聞えません。再度電話ボックスを見るとやはり、ガラスにはその女が映っています! 更にその女は猛スピードでTとSに向って走ってきているのです!!そう、反射したガラスの中だけで・・・ 「うわぁぁーー!!逃げろー!!」 Tが言い出しましたが、Sもすでに走っていました。 二人はしばらく走り、ようやくその場から離れました。余程怖かったのでしょう、その日SはTの家に泊まる事になり さっき起こった事についてしばらく語っていました。翌朝、 母が発した言葉にTは更に鳥肌が立ちました。「昨日、夜中2時近くに電話があってね、突然 ぁぁぁあああああああああああああ っていう気味の悪い女の声が聞えてきたのよ お母さん、恐くなっちゃって切っちゃったわよ」 おかしいです・・あの時電話に出たのはTの母だというのです・・ しかもTの母もT達と同じ様にあの女の声を聞いていたというのです・・それから、TとSの身に何が起こったという訳でもありませんが あの場所はかなりヤバイです・・・更にその電話ボックスは今でもありますので 場所をご存知の方はお気を付け下さいませ・・ 昔私がその地元に詳しいある教師に聞いた話しによりますと その「宇宙科学館」を建てる以前の建物は 火葬場だったそうです・・(マジ) 実際、その科学館付近での妙な噂は色々とあったのですが これが当時一番有名でしたので掲載させて頂きました。

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