MDプレイヤーの復讐
投稿者/Holic


私が高校生のときに実際に体験した、ちょっと怖くてちょっと不思議なお話です。高校に入学したとき、入学祝として親にMDウォークマンを買ってもらった。自転車で学校に通うことから、一層喜んだ記憶がある。10センチ四方の小さい「それ」は、本体からコードを伝わり私のイヤホンまで達し心地よい音をいつも耳に注ぎ入れてくれた。こんな小さいものが良く出来ているものだ と感心した。 行きは全て下り坂なので爆音にして、とても気持ちが良かった。その代わり、帰りは上り地獄だが・・・私は、そいつと友達になった。なんせこいつが居ないと風の音がビュウビュウとしか耳に入ってこないのでなんとも退屈だからである。そして学校に着いては、自分のロッ カーにしまっておき、また帰りのときに持ち出していた。そして2年と3ヶ月が経った。そいつは本体にあちらこちら小さな傷をつけながらも、新品となんら変わりない音質であった。こいつも頑張っていた。さすがMD。この頃私はテクノやトランスという音楽にハマっていた。どうせならいっその事、低音が凄いパワーのあるヘッドホンでも買おうと思い5000円の出費でそのヘッドホンを購入した。家に帰り早速聞いてみると、感動した。「ドンドンドンドン」とベースが響いてものすごい陶酔出来た。新たな友が出来た。そして夏休み前日。家に帰る途中、私は友を2つ忘れていることに気づいた。ショックだった。今までの2年と3ヶ月、通学に一日たりとも欠かしたことの無いMDウォークマン。しかも気づいたときは家まで後50メートルという所。「しょうがないか・・」お気に入りの曲たちを入れたMDウォークマン。たまにはいいかと自分で自分を慰め、家に着いた。それからの約1ヶ月、なんら変哲も無い夏休みを過ごした。 夏休みが終わった。今日から学校だ。私はMDのことを思い出し、自転車で学校へ向かう途中「早くあの曲が聞きたい」一心で猛スピードで学校へ向かっていた。学校へ無事着いた。急いで自分のロッカーを開ける。「よっしゃ無事だ」MDを持って教室へ入る。ヘッドホンをつける。音量は爆音(MAX)再生を押す。「うぎゃぁあぁぁぁぁあーぁうぁぁぁぁ!!」 低音の響く声が爆音で耳の鼓膜をぶち破るかの如く・・人間の断末魔であった。多分。その後私は、教室の床で、白目で、泡を吹きながら、痙攣して倒れていたらしいです。こんなことがあったんです。MDウォークマンも寂しかったのでしょうかね。にしてもあれはなんだよ。うぎゃーとはなんだよMD!後にもう一度家に帰って聞いてみたら何の奇声もなくお気に入りの曲が流れていました。よしよし。お前もやっぱ寂しかったんだな。悪い悪い。トランスマニアの友人SにそのMDプレイヤーごと貸したら1週間後、耳に包帯をして通学してきました。そいつはその後の高校生活、一言も私と口を利いてくれませんで した。MDは返してもらえましたが・・

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