獲鳥
投稿者/ジャム


タイトルの姑獲鳥はうぶめと読みます。呪われた恐怖体験談という事で投稿しました。嘘の様ですがこのお話は私の実体験です。 「あれ?あの女の人、誰?」 社宅の前の公園で 同じ社宅に住む主婦仲間と話しに夢中になっていた私は 少し離れた場所で しゃがんで土をいじっている4歳の一人娘「K子」の方に 目をやった時に心の中でそうつぶやきました。 見知らぬ女性が、K子を見下ろすように横に立っているのです。 その女性は後ろ姿でしたが なんとなく初めて見る人だと思いました。 また、K子もその女性の方に目を向けたまま 身動き一つしていない事に気づき おかしいなと不安になっていました。 「ねぇ・・あの人誰かしら?」 私は主婦仲間の友達にそう尋ねてみましたが 誰一人としてその女性の事は知らない様でした・・ 「ごめん、ちょっとK子連れてくるわ」 私は心配になり、娘を連れに行きました。 K子の方に近づくにつれ、ますます不安は増していきます。 女性を見ているK子の顔が真っ青に青ざめています。 明らかにその表情は何かに脅えているようでした。 更に母親の私が近づいていいくにも関わらず 娘は視線を動かそうとしてません。 「何かおかしい・・」 そう思い、私は足早にK子の所に駆け寄り抱き上げました。 その体はまるでプールからあがったばかりのように冷え切っており ガタガタと小刻みに震えていました。 「どうしたの・・K子・・大丈夫?」 とK子の背中をさすりながら その女性の方に振り返った時でした・・ 私は自分の見ているものがすぐには把握できませんでした。 あまりにも現実と隔たりがあり それが一体何なのかが分からなかったのです。 その女性は、腕に幼児を抱えていました。 それも明らかに死んでいる幼児です・・・ 全身が痩せこけて 随分前に流れたであろう、ドス黒い血が 体のあちこちにへばりついていました。 頭部から首にかけて亀裂の入った部分からはウジが湧いていました。 この女性は死んだ子供を抱いていたのです・・ 私は突然の恐ろしいこの光景にブルブルと体が震え出しました! その女性はそのまま娘がいた場所から目を離さず 一点をジィっと見ていました。 「この人おかしい!」 直感でそう思った私はとにかくその場所から離れようと 主婦達がいる方へ逃げるように駆けていきました。 「どうしたの・・そんな真っ青な顔して・・」 と私の表情を見た主婦達が心配そうに聞いてきました。 「あの女の人・・あの人・・変なの・・抱えてる子供がね・・」 そう言いながら 私はさっきの女性を指さそうと振り返りました・・ が・・ その女性の姿がどこにもないのです・・ 「あれ?」 「ねぇ、さっきまであそこに立ってた女の人何処行っちゃったの?」 と、私が聞くと・ 一人の主婦が言いました・・ 「貴方も見ちゃったの・・?」 「あのね・・ここ良く出るらしいのよ・・」 「昔、この土地で1人で赤ちゃんを産んだ女性がいてね」 「その女性は赤ちゃんを産んだのはいいけどそのまま死んじゃったの」 「それで残された子供は餓死しちゃったらしくて・・」 「それから結構、この辺で子供が一人でいると何処からともなく女性が現われて 死んだ子供を抱えながらうらめしそうにジィーと見てるらしいよ・・」 「これからは子供を一人にしない方がいいよ・・」 私は寒気がしました。 あの無表情な女性と 腐敗した子供が幽霊だったなんていまだに信じられません。 しかし、もうK子をあの場所で 一人で遊ばせるのだけは止めています。 あんな怖い思いするのはもうこりごりです・・

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