での事
投稿者/敏生


これは実際にあった事です。今考えれば、それは良くある事だ・・・と思われる話かもしれませんが 実際に会って見な いと、この恐怖は解らないでしょう。 これは、私が二十歳の頃。仲の良かった友人光弘が自動車免許を取得しそのお祝いも兼ね、千葉のとある海までドライブに行くことになりました。メンバーは4名、光弘・敏江・敏明・私。 朝に学校の前で集合をし学校の近くにある空き地に自分達の車を停め、光弘の車に4人が のり 楽しい初ドライブとなるはずでした。その日は夏で天気も良く、海水浴客で海方面へは 大混雑していました。 普段なら、2時間もあれば着くような距離でもその1.5倍は掛かったのではないでしょうか? 目的地に着き、全員水着へと着替え、疲れた身体を休めるかのよう に 太陽の下で思う存分ごろごろしたり、海に飛び込んでみたり初ドライブを満喫していまし た。夕方になり「そろそろ帰るか・・・」という時間帯には、すっかり周りの海水浴客も帰る時 間帯で 全員の頭の中には「また渋滞かあ」の文字が浮かんでいたのでしょう。案の 定、帰りの道も大混雑。ご存知の通り千葉は山が多く帰るにも3つ程、山越えをしないと帰 れない。しかも、わき道をしらない。 2つ目の山を越す頃にはもう夜もすっかり深くなってきての事。敏明が「わき道入ろうぜ。きっとどっかに抜けられるはずだから」と言い出し。私も他の メンバーもこの状態よりは走っていた方がましだ!と考えていたので だれかれと無く「賛 成」の意見。しかし、ドライバーの光弘は初心者。 少し躊躇していた。・・・・ そんな時、数台先 の車がウィンカーを出し曲がって行く。「よし!あいつは地元ナンバーだったから、きっと抜け道を知ってるついて行け!」と敏明。それに促されるかの様に光弘がハンドルを向ける。「・・・・酷く狭いみちだなあ」 と私は思っていた。 こんな道に入って光弘は大丈夫だろうか?と思っていた。すると・・・、10 0メートルくらい藪のような道を走ったとたん 舗装されてはいないものの、トラックが十分に すれ違える程の広い道へ出た。「お?ナイスじゃん。絶対にこれはふもとまで行けるって」 と敏明は大喜び。 「絶対に話されるなよ!」と光弘に渇を入れ、前を行くテールランプを追わせた。だが、私には少し気になることが・・・。そう、電灯が全くないのだ。ただ、前を行く車のテールと自車のヘッドライト以外に灯りがない。 しかも、目の前が左に曲がってるのか右に曲がっているのかすらわかりにくいのだ。 ただ、前の車のテールが左に動いていくから左曲がり・・・・といった感じで着いていく。まるで墨汁を流した様な暗闇とはあの事を言うのであろう。 別に霊感とかは無い。今までだって見たことは無い。だが、前を行く車がどうも気になる。 まるで、水の上を走るかの様に静かに流れて行くのだか ら。道は砂利道なのに・・・暫く着いていくと、だんだんと前の車のスピードが上がっていることに気がついた。隣からメータを覗きこむと「60`」 尋常では無い。光弘もそれに付いていこうと必死になっている。私が「光弘、気をつけろよ。少し速すぎないか?」 と言った瞬間!目の前を走っていた車のテールが右方向に「ふっ」と消えた!! 「ヤバイ!!!!」 と何故かとっさに思った私は 「止まれ!!!!」 と叫んでいた。 光弘もあまりの大声に急ブレーキを掛けた。 車はタイヤをロックさせたまま。砂利を引きずり止った。 そして・・・・・ 全員がヘッドライトに浮ぶものを見て息を呑んだ。 そこには・・・・ガードレールが一枚だけ剥がれ落ち、谷底へ向って口を開けていたのだ。しかも、カーブは左曲がり。かなりの角度で左に曲がっているのだ。しかし、前を走っていた車は・・・・・?確かに右へ向って・・・? 全員車から降り、その先を見に行く。 車の鼻先から数十センチの所・・ガードレールの先は真っ暗な闇しか見えない。時折吹く風が少し生暖かい感じがしていた。この場に居た全員が思っていたことだろう。前の車の存在・・右に曲がって消えた・・・ あの車は一体・・・・??全員が黙って谷底を覗き込んでいると敏明が 「きっとあの車は、このことを俺達に教えてくれたんだよ」 そういうと光弘が 「そうだよ!きっとそうなんだよ。危なかったよなあ〜」 と言い この場所で死んだであろう。前を走って消えた車の運転手を思い、全員で手を合わせ黙祷をした。 すると・・少し強く生暖かい風が谷底から吹き上げ、確実に男の声で何かが聞こえた!!!「・・ばよかったのに」 耳を疑った。私と敏明と光弘は顔を合わせ 「お前、何か言った?」 と聞きあっていた。 が、だれも何も言っていないのだ! そして、その声は以外な所から発せられた。今度は確実にしかもはっきりと!!!「死ねばよかったのに・・・・・・」 それは、光弘の彼女の敏江からだった。 「死ねばよかったのに・・・・・・」 私達のことを恨めしそうな目で見詰め、そして悔しそうに吐き捨てた後 敏江は気を失いその 場に崩れ落ちた。 全員その後の事は良く覚えていないくらい恐怖に駆られていた。敏江を車に引きずり上げ、私と運転を交換し どう走って帰ってきたのかすら思い出せないく らいだった。 とにかく、学校の前に着いた時には、もう夜があける頃だったのは覚えている。 敏江は途中で目を覚ましていた。別れ際、敏江に今まで会った事を説明し、自分が言った事を覚えているか?と聞いた所 「手を合わせたところまでは記憶がある。だけど、その後の記憶が全く無い」と言っていた。その日の午後、霊感の強い友達に事情を話した所、「即刻寺へ行け!」と怒鳴られ 言われたお寺さんへ行き、住職に事情を話しお祓いとお手製のお守り札を貰い各人帰路へついた。その後、私達には何も無かったが、たった一人には不幸が襲った。このお寺参りに参加しなかった敏明。 「偶然だよ。霊感ないから大丈夫だよ」と馬鹿にしていたのがいけなかったのか?数年後、各人社会人へとなり、社会生活にも慣れた頃に光弘から一本の電話が・・・・・ 「あいつ死んだよ。OOO峠で道に迷って、車ごと転落したらしい・・・。」 OOO峠・・・・数年前、恐怖体験をするきっかけとなった峠の名前。警察の話では「スピードの出しすぎによる事故」と見られているが・・・?その後、現場に居たメンバーに異常は無い。みんな健在である。この私を除いては・・・・・

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