GHOST TAIL

JuJu:怖い話と百物語

怖い話:401話〜440話

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2007年1月17日/投稿者:沖田鎬

綺麗な着物が、纏められてゴミ捨て場にあった。

「勿体ない!」

と、私はそれを持ち帰った。

箪笥の匂い。だいぶ匂いがするので、消臭剤をかけて虫干しした。

淡い黄色に、これも淡い紫のグラデーション。

帯が三本――どれも、これも、仕立てたもので、相応の値段がしそうだった。

「棄てるなんて勿体ないなあ。…どうせ、着れないんだろうけど」

使うものには、念が宿る。

愛着があるなら、なおさらのこと。

そう、それを私は、忘れていた。

その後――実家にて、ロフトベッドで眠っていた私は、つと目が覚めた。


「…」


緊張感が、支配している。

ここにいちゃダメだ。

降りようとした視線、目があった。


「――!!!!」


そらせない。そらしては、いけない。

どのくらい、黒い影とにらめっこしていたのだろう?

ようやっと消えたその影に、私は影がいた場所を降りて、電気をつけた。

そこには、母が寝ている。

「…どうしたの」

「…影…」

が、と云おうとしたが、やめた。


また、夜がきた。

目がさめる…緊張感と、黒い気配。

目だけを動かすと、物干し竿におかしな物体が張り付いているのを見付けた。

なんだ、あれ?

じっ、と目を凝らしてみると、それは、老婆。

着物を着た、


…ああ、あの柄、見覚え――


首がぐにょんと伸びて、あり得ないほど大きく口を開けている。

こっちにくるんだ。

こっちにおいで。

じゃないと、おまえのおかあさんをつれていくよ。

怒りが爆発した。

ベッドを降りて、電気をつけたけど、老婆はまだ、どころかしっかり実体化している。

「ふざけんなよ!死人の分際で!人質とるたぁどういうことだこらぁ?
んなことしたら、魂の一片になっても地獄の苦しみを味わわせてやるからな」

手首には、傷がある。

それは、私の人生で多分一番酷い事にあった傷だ。

だけれど、この着物を拾った事と関係がないわけではない。

物には念が宿るのだ――

手縫いの着物なんてものなら、なおさら。なおさら。

死の世界からよばれる、そう云った事も、有るのかも知れない。

やはり、この話も封印している部分が沢山ある。

やむを得ない。

自殺の名所、とか云った場所にも、こういうものがいるのかも知れない。

こっちへおいで。

こっちへおいで。

こっちへ…。

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「彼」が亀なら
2006年11月26日/投稿者:佐藤 奈稚

私が保育園の時の事です。

比較的体重の軽かった私は,やはり小柄だった為でしょうか。

誘拐されかけたことすらあります。その所為もあるのでしょうか。

いえ,その所為だけなら良いのですが。

この件以来霊感が欲しいなど欠片も思わない子供に育ちました。


私の通う保育園は,人通りの少ない通りに囲まれています。

暗くなれば子供達は決まって逃げ出すように,

そして坂の多いこの地域を転がるように駆けてゆくのでした。


というのも,私達の世代の卒園生あたりだけでしょうが,

「河童」が出る。そんな話がありました。

今となってはそんな話を広めたお喋り好きな可愛くない子供は

ひっぱたいて河童と一緒に沈めてやりたいとすら思います。

お喋り好き,そう,ハト組で一番お喋りだったのは私でしょう。

もしかしたら私が広めたのでしょうか。だとしたら,これは自業自得ですね。


弁天池,正式な名前ではありません,しかし誰もがそう呼びます。

そこは子供達にとって,近くの遊び場,というだけのものでしか

なかったはずですが,身近だったからでしょうか。

河童の話,というものはそこが題材になっていました。それはこう言ったもので,


「子供は鐘のあとに弁天池にいちゃいけないんだよ河童が来るから。」


そんな他愛も無い子供の噂でしたが,当時の私はやってしまったのです。

敢えて実行に移してしまったのです。

おばあちゃんに家に連れられて帰るのが嫌で,

鐘の前に「団地公園」(団地に囲まれている事からこれも正式な名前はうやむや)から

「弁天池」までこっそり走ったのです。


暗くなっても1人でいました。

そこにいた子供達がいなくなっても。

街頭の光しかない、淀んだ池を中心とした公園に子供が1人だけです。

夕焼けが迫り、カラスも家に帰ってしまい、

暗くなっても帰るのが嫌でこんな事するんじゃなかった。

生き物がなかなか見当たらず、それでもたくさん居る池でした。

暗く鏡のような池に、

波紋とあぶくだけがゆっくりと立ち上るように次々とできては消えます。

波紋の中心は亀にしては大きいぬるぬるとした「何か」でした。

しかし、それはゆっくりとベンチ、なんとつまり私に進んで来ます。

びっくりして動けない私の目に前で、藻だらけの何かは

ゆっくり浮き上がり、目、鼻、確かにありました。

亀の見間違えじゃありません。

そういわれたらおしまいですが。

「彼」は言いました。


「子供は家に帰れ...」


私は泣きながら団地公園のおばあちゃんのところへ走りました。

振り返れば「彼」の人影がありそうで、人にはとても言えません。

皺とイボの多い藻にまみれた茶色い皮膚が今でも怖い。


ハト組、弁天池、団地公園、これらの通称に思い当たるひとは、

鐘の音の後に残ってはいけません。

少なくとも成人式以前に。

そういえば、「彼」は池と河を取り違えてやいませんか?

池の底でPCを見ているなら、ご忠告します。

河童は河に帰れ...

お喋り好きな私が今この話を広めるなら、警告としてです。

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夢の階段
2006年10月21日/投稿者:魔闇

これは、実際に、私の友達が体験した話。

又は、どこかの誰かさんが、実際に体験し、亡くなった話。

「ギィー」

一段私が上ると、階段が嫌な音を立ててきしんだ。


怖い――

しかし逆らえない。

私は、フッとタメ息を付いた。

すると、後ろに気配が!


「あなたも近づく――今日は一人始末した――」


誰かがそう呟く。

私に向かって。嫌だ・・・

何が近づくの?

誰を始末したの?

怖いよ・・・

その人物は、私の肩に触れ、去っていく。

そうして、最後の決め台詞。



「キャーーーーーーーーーーーーーーーーー!」


誰かの叫び声が、私の耳に響く・・・


――


「ハァッハァッ...」


またこの夢だ。

毎日のように見る夢。

凄く怖い。

毎日一段ずつしか上れない階段。

毎日同じことばかり呟く人物。

怖いことばかり。

嫌だな・・・



――



そうして、今日が最後・・・

今日が最後の段・・・

私は、逆らいたかった。

眠りたかった。

でも・・・



「ギィ」



上っちゃった・・・

階段がきしんだ。

すると、いつもの人が現れた。


「ようこそ・・・おいでいらしゃった・・・夢の階段を・・・上りきったあなた・・・」



「えっ・・・?」


「ふふふ・・・死んだものは自覚しない・・・知らぬが仏だ・・・」


「死?」


私は良く分からなかったけど、とにかく怖かった。

あの人の雰囲気から、言葉遣いから、

死を悟った気がしたから――


「嫌だぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!」


私は叫んだ!叫んだ!叫んだ!

でも誰も助けてはくれない。

周りには誰もいない。

いるのは、骨と皮だけの、骸骨達・・・



「キャーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!」


――


「今日も一人始末した・・・」


――


今となってはどうすることもできない――

もう死んでしまったから――


――


夢の階段には、気をつけましょう・・・


いや・・・


夢の階段を見たら、待つものは、死だけです・・・

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葬式の後
2006年10月13日/投稿者:クロ

ついこの間、祖母の葬式を終えたのですが、

そのときに奇妙な体験をしました。

お焼香の途中で激しい目眩と吐き気に襲われたので、

家族に言って部屋を出て、休ませて貰いました。

人が用意してくれた窓際のソファーで横になって休んでいたところ、

後ろから手でガラスを軽く叩くような音がしたので、起きあがって見てみたのですが

誰もいないので、空耳だろうと思い、うとうととし始めたところ、

また同じ、こつこつこつ、という音がしました。

またしても誰もいないので、疲れから来るものだろうと思い、

気にせず寝ることにしました。

うとうととするたびに、叩くような音がしたのですが、

気分の悪さに起きあがることも出来無くなってきたときから、

叩く音のつぎに窓を開けるような音もしてきました。

鳥肌が立ち、強い悪寒を感じましたが、そのときにはもう完全に起きあがれず

お焼香があっている場所とは階も違うので人もおらず、

私は軽いパニック状態に陥りました。

しかし、私をソファーまで連れてきてくれた人が様子を見に来てくれ、

音と悪寒から逃れることが出来ました。

ですが、それ以来、自宅でテレビが勝手についたり、

チャンネルが勝手に変わったり、

聞いたこともないような男の声を聞くようになったりと、

妙な出来事が多発しています。

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窓から
2006年8月11日/投稿者:実花

あれは去年の冬のことでした。

私は霊感などなく、霊等に悩まされることもなく生きてまいりました。

しかしその晩に奇妙な出来事が起こったのです。

夜、ベッドに入ったときでした。

なかなか眠りにつけず、ぼーっと天井を見上げていました所、

ゴミ箱のビニル袋がパリパリ・・・

となりだしたのです。

誰もいないし、ゴミ箱など触れるはずもありません。

ただずっとパリパリというビニル袋の音がなるのです。


怖くなった私は布団をかぶりました。

そうして5分くらいその音を我慢していると息苦しくなってきました。

それは霊の仕業などではなく、ただ布団をかぶっていたからなのですが・・・。


恐る恐る布団から首を出しました。

そしてなんとなく窓をみると・・

ひとの首がありあえない方向から覗いているのです。

二回の窓です。窓の外には街燈があり、その影をぐっと強く見せました。

私は薄いカーテンをしめていたのでその首の影までしかわかりませんでしたが・・・。

首は横になっており、というか、

首の部分だけしかこちらの窓に映らなかっただけという形ですが・・・

もうびっくりして息が止まりそうになり、心臓が飛び出す直前でありました。

でも、これはたまたまできた影だと思うようにしたのです。

そしてすぐに布団をかぶり眠りに着きました。

私はカーテンを開けて確かめる事などできませんでした。

ましてや自分にこういう怪奇現象が起こるなど思ってもいませんでした。

他人事でしたので・・・

次の日のよる、眠りについたとき窓を見ました。

影はありませんでした。

昨日の影はやはり人の顔の形であり、偶然ではありませんでした。

その日も、布団をかぶり眠りにつきました。

今は私の部屋の四隅にお札が貼られております。

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2006年7月31日/投稿者:花

母は子どもの頃、ものすごく霊感があったそうです。

その母の初めての金縛りは、まだ幼い5,6歳くらいでした。

その夜、母は一瞬にして体が凍ったような感覚で目が冷めたそうです。

しかし、体を動かすことができず、目も開けられませんでした。

初めての金縛りでしたから、何がなんだか分からず戸惑っていたそうです。

母には、目は開けられないはずなのに、部屋の様子が見えたそうです。

それだけならまだしも、異様なものが目に入りました。

白い女の人が母の右隣に横たわっていたのです。

母の横顔を凝視しながら。

見たくないと願っても、見えてしまうのです、もう目は閉じているのですから。

怖い怖い怖い、どうにかして、と母は必死で願いました。

すると今度は、母の足元から、

膝から下だけの2本の足が、すうと現れました。

今度は何だ、と恐ろしい気持ちでいると、その足が母の上半身へと落ちてきました。

その瞬間、一気に金縛りが解けたそうです。

体は動くようになり、目も開けられるようになり、女も消えました。

しかし、恐怖はおさまらず、布団にもぐりこんでぶるぶる震えていたそうです。

母方の祖父は、母が小さい頃に亡くなりました。

母が生まれる前、「女とかいらん」「女やったら捨てるぞ」などと言っていたそうですが、

いざ母が産まれると、叔父たちには厳しく、

母にはとても甘い父親になったそうです。

そのためか、母はお父さん子でした。

祖父が火葬されて、骨になって出てきたとき、

母は怖くて怖くて近くに行けませんでした。

遠くから見た祖父の足を、今でも鮮明に覚えているそうです。


祖父は足が悪く、膝から下だけは燃えずに綺麗に残っていたのです。


母は、今ではもう、霊感は全くといっていいほどありません。

あの時、金縛りが解けたのも、霊感が閉ざされたのも、

祖父が母のことを手助けしてくれたのだろう、と私も母も信じています。

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男の子
2006年7月26日/投稿者:日向 葉

私が小学生だった頃話です。

新校舎が旧校舎のグラウンドだった場所に建てられました。

 無事に工事も終わり、

新校舎への引越しを済ませた私達の中にある噂がたちました。

『トイレになにかいる』。それは良くある話ですよね。

私も当時全く信じてはいませんでした。

しかしその出るというトイレの場所が問題だったんです。

昔、旧校舎のグラウンドの工事をしていたときに事故があったそうです。

6歳ぐらいの男の子が重機に巻き込まれ亡くなったそうなのです。

その話を聞いてから、すこしヤバイなって思っていました。

そのトイレの掃除分担が私達のクラスになっていて、

掃除の時間はその話で盛り上がっていました。

 その日も掃除が終わりトイレの前で反省会をしていたんです。

トイレの周りにいたのは、私を含めた7人だけでした。

反省会が終わるといつものようにトイレの怖い話。

私としては「またか」という感じだったのですが、

その日はいつも以上に盛り上がっていました。

(外が暗かったんで雰囲気もあったんでしょう)

『コツンコツン』トイレの中から人の歩く音が聞こえてきました。

その足音は近くなったり遠くなったりを繰り返していました。

話の最中だっただけにみんなは「キャー」と絶叫しながら、教室の方に走っていきました。

私と友人のKは当時そういうことは信じないタイプだったんで、

足音の響くトイレの中へ入っていきました。

するとその足音は止み、個室も全て開いていました。

私達は、空耳だとその話に片をつけていました。

 それからそのトイレでは、いろいろな事があったらしいんです。

(体験してないんで本当かは分かりませんが)

私自身はそのトイレで何か目立った体験をしているでもなく、

無事にその小学校を卒業しました。

 「○○○、○○○」

卒業してからずっと私を呼ぶ声がします。

聞いた事のない声です。どこか遠い所で呼んでいるような小さな声ですが、

その声は、はっきりと耳に届いてきます。

その声は男の子の声でいつも悲しそうに私の名前を呼ぶのです。

卒業してからずいぶんとたちましたが、今もまだ男の声が聞こえてきます。

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四つ角遊び
2006年7月25日/投稿者:雪花

これは、私の友達のいとこ(Cとします)が実際に体験した事です。

Cは、A、B、C、D、Eの五人で、山に登ったんです。

しかし、その五人は山に遭難してしまったんです。

それに加え、Bが意識不明になってしまいました。

BはAに背負われたまま、死んでしまったのです・・・




どこか、休めるところは無いか・・・。





必死に歩いて、必死に休めるところは無いか探し回りました。

そして、ある四角い小屋を見つけたんです。


「あれ・・・?こんなとこに小屋なんかあったっけ・・・?」


皆でそういいながら、中に入りました。何もありませんでした。

しかし、休める広さはありました。

なのでBの死体を部屋の真ん中に置き、ずっとその四人は座っていました・・・。

しばらくしたらAが、


「なあ、皆・・・。ゲームをしないか・・・?」


と言い出したのです。

どういうゲームかというと、まずみんな角につきます。


AがCをタッチして・・・CがDにタッチして・・・

DがEにタッチして・・・EがAにタッチするというゲームです。

四人は気晴らしに、そのゲームをやることにしました。


Bの死体を真ん中に置いて・・・。


まず、AがCにタッチしてCがDにタッチして、

DがEにタッチして、EがAにタッチする・・・。

それをずっと繰り返すのでした。

やがて、吹雪も止み、レスキュー隊も来て、四人は助かりました。




あの事件から二ヶ月・・・・・・。

Cはあのゲームの事をふと思い出しました。

そしてCは気づいたんです・・・。



「あのゲーム・・・、四人じゃ出来ないんだ・・・。」



そうです・・・。

あのゲームは四人じゃ出来ないんです・・・。

AがCにタッチしてCがDにタッチしてCがEにタッチしてEがAにタッチする・・・。

しかし、Eはタッチする人がいないんです。

アノ時Bハ、何ヲシテイタノデショウカ・・・?

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昔話
2006年7月21日/投稿者:やまだん

中学の夏休み、お盆時期になると

よくテレビで恐怖体験などの特集が組まれたりしていますよね?

その日は祖母と二人、そんな番組を見ながら昼食をとっていました。

当然話の種は「自分の恐怖体験」、

その時俺は学校でのネタに何かないかと思い、

祖母に「何か怖い体験をしたことはないか?」と聞きました。

祖母の話によると、それはまだ俺が幼稚園に通っていた時の事。

ある日、婆ちゃんは台所でいつもの様に家事をこなしていました。

しばらくして、ふと何か声のようなものが聞こえてきたらしいのですが、

近所の子供だろうと思い、初めの内はなんの疑問も抱かなかったようです。

しかし、どうやらその声は家の外ではなく家の中から聞こえていたようでした。

居間の方から「ボソボソ」と話し声が聞こえてきます。

祖母は家事を中断し、居間に行って見ましたがそこにはやはり誰も居らず、

仏壇の蝋燭がチリチリと静かに燃えているだけでした。

しかし、さっきよりもはっきりと声が聞こえるようになったので

祖母は耳をそばだてながら、より強く声が聞こえる所を探しました。

スッ…と祖母は俺の隣にあった仏壇を指し

「あの仏壇の中から聞こえてきてたみたいだったんだよ」

と、笑っていました。

その時、祖母は仏壇に軽く耳を近づけ何を言っているのか確かめようとしました。

近づけば近づくほど、[声]は大きくなって行きます。

しかし、どんなに近づいても[声]はガヤガヤと騒ぐだけで言葉はなに一つ分かりません。

更に奥に顔を近づけた瞬間




「ア゛!!!」



と、単発な声が聞こえ瞬間耳鳴りがする程、あたりは静まったそうです。

同時に、けたたましい電話の音が家中に鳴り響きました。

祖母の弟からの電話。

内容は、祖母の母親と父親が亡くなった。との事でした。

「虫の知らせと言うか…仏様が知らせてくだっさたのかもねぇ」

と何処か懐かしそうな表情で、語ってくれました。

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赤い廊下の思い出
2006年7月5日/投稿者:透

これは私が中学時代、実際に体験した話です。

私の通っていた中学は5階建ての校舎で、校舎の向きの関係上、

一年に一回夕方の廊下からすべての影が消えるという

幻想的な事がおこることが知られていました。

本来ならば、その日は長期休暇で校舎内に立ち入れなかったのですが、

吹奏楽部だった私と友人はその年「自主練習」と称してその時を待っていたのです。



その光景は本当に綺麗で、

私は友人と二人真っ赤に染まった廊下に見入っていました。

その時、でした。階段を上ってくる足跡が聞こえたのは。

先生が来た!

そう思った私たちは、とっさにトイレの中へ飛び込んで廊下の様子を覗いました。

階段を上がりきったらしい足音は、そのまま私たちのいる5階の廊下を歩き出しました。

「早く降りていけ」私がそう思っていると、その足音は元来た方へと引き返して行きました。

足音が聞こえなくなったことに安心した私たちは、

見つからないうちに昇降口へ行こうとあわてて廊下に出ました。


その時私ははっとしました

先ほどの足音には「影」が無かったのです

私たちが隠れていたトイレは東側の一番奥で、

本当なら相手の長く伸びた影が見えていなければおかしいのです。

しかし、足跡がしていた間、廊下は夕日に赤く染まり続けていました。

どうやら友人も同じ事を思ったらしく、私たちは暫し顔を見合わせていました。

「とにかく帰ろう」

そう結論を出した私たちは、逃げ出すように校舎を後にしました。


そんなことがあった、その日の夜でした。


先天性の心疾患で入院中だった、クラスの男子が亡くなったという知らせが届いたのは。

その後行われた耐震補強工事によって、

西側の窓には金属の筋交いがはめられていまい、

あの赤い廊下を見たのは私と友人とその「足音」が最後となりました。

あの足音が、この世を去っていく彼のものだったのか、

それとも他の「何か」だったのか、今となっては誰も知り得ません。


ただ、夕方の廊下に立つたびに、私はあの光景を思い出さずにはいられないのです。

赤く染まった廊下と、最期だったかもしれない足音を…

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旅立ちの日に
2006年7月1日/投稿者:蚋

これまで僕は怖い夢を幾つも見てきました。

ですが、これまでの夢とは明らかに違う夢でした。

僕の家は一階が祖父母の家で、二階が僕と妹、

そして両親の住まいでした。

そして僕の部屋の窓からは、ダイニングルームが良く見えました。

僕が中学三年生になって間もない時期でした。

その日友達と外で遊んだのですが、

疲れていたので遊び終わった後そのままベッドに転がったのです。

普段なら風呂や夕食を済ませて寝るのですが、

その日はそのまま深い眠りに落ちてしまったのです。

目を覚ますと、夜中の一時でした。


「うわっ、寝過ごしてしまった」


僕はそう思い、溜息を一つつきました。


その時です。

ダイニングルームの方で何かが「ピカッ」と光りました。

最初、気のせいなのかもしれないと思いましたが、

本当に気のせいなのかどうか確かめてみることにしました。

目を凝らし、ダイニングルームを窓越しにじっと見つめます。

すると、もう一度ピカッと何かが光りました。

夢なんかではありませんでした。

夢ではなく、現実世界にいる、という確かな実感があったのです。

今でもそう信じています。

僕は暫く光を見続けます。


ピカッ、ピカッ、ピカッ。


どうやら、一定の間隔を置いて光り続けているようでした。

好奇心旺盛な僕は、誰か居るのだろうかと思って

ダイニングルームの方を覗きに行きました。



しかし、誰もいないのです。



それに、何も光っていません。

部屋は真っ暗でした。

もう一度部屋に戻りましたが、やはり光は点滅し続けていました。

不思議に思いましたが、あまり気にはしませんでした。

もう一度布団を被り、目を閉じました。

朝になったら分かる、とそう思っていました。


その後僕は不思議な夢を見ました。


僕は壁や天井が真白な部屋の壁に磔にされていました。

僕は助けを求めるため叫びました。

すると部屋の入り口と思われるところから太った男が出てきました。

そして僕にこう告げるのです。



「これから皆さんには三回の注射を受けてもらいます。
既に一回目は済みましたから、あとは昼と夜だけです」



皆さん?

良く見ると、もう何人かの少年少女が部屋の中に

僕と同じように磔にされています。

磔にされている人の中には、僕の知っている友達もいたように記憶しています。

暫くすると、太い注射器が僕たちの前に現れました。

そして一人ずつ打たれていきます。

僕の腕にも、その太い針が近づいてきました。


「いやだ」と僕は叫びました。


そこでまた、目が覚めたのです。

何だ、夢かと思い、ほっと胸を撫で下ろしました。

しかし、先ほど書いたように光の点滅は夢ではありませんでした。

まだ、ダイニングルームで窓越しに光り続けているのです。

僕はそれが段々不気味に思えてきました。

僕はまた布団に潜り込みます。

どうしよう。

起きていても、寝ていても恐怖。

ただ、夢なら死ぬことは無いだろう…

僕は決断し、再び眠りにつきました。

またあの白い部屋でした。

今度は拘束されているのではなく、
(言葉が正しいのかどうかは分かりませんが)

部屋の中に放し飼いにされていました。

僕は暫く膝を抱いてぼーっとしていました。

僕たちの中には、話をしている友達もいました。

そして、こんなことを小耳に挟んでしまったのです。




「知ってる?最後の注射は耐えられないほど痛いらしい」




僕はその言葉を聞いて思わずぞっとしました。

僕は小さい頃から何故か注射が嫌いでした。

注射が嫌いな人は僕のほかにも沢山おられる事でしょうが、

そんな僕が最後の注射に耐えられるだろうか、と思いました。

その時、誰かが叫びました。



「おい、やつが来た!」



僕は思わず立ち上がりました。

何か打開策を―と思い、部屋の中を見渡します。

すると、部屋の壁にダストシュートのようなものがありました。

ヤツの気配は十分分かりました。

そしてタイミングを見計らい、一気にそれを開けると滑り込みました。

その中はとても暗く、急な坂がどこまでも続いていました。

僕は無我夢中でその坂を下っていきました。

途中で膝が笑い、転倒したりしました。

しかし、それでも全力で走り抜けていきました。

何km下ったのかは分かりませんが、

数分かけて漸く一番下まで来ることができました。

そして、そこで道は右と左の二つに分かれていました。

看板があり、それには「右は海」とかかれています。

しかし右の道への入り口は高く、上るのは困難でした。

僕は仕方なく、左の道を選びました。

しかしそこで、ヤツが待ち構えていたのです。

手には、太い太い注射針を持っていました。

「どうされました、みんな注射は済みましたよ」

そういってヤツはジリジリと僕に近づいてきます。

仕方なく、僕は右手を差し出しました。

というより、それしか道はありませんでした。

終わった。

そう思っていました。

ヤツの注射針が腕に刺さります。

そこで目が覚めたのです。

時刻は、午前五時半でした。

僕は呆然としたまま、窓から外を見上げました。

そろそろ夜明けで、空が明るくなりかけていました。

そして、そのせいかダイニングルームの光は無くなっていたのです。


もう一度、あの夢の続きを見ようと思ったのですが

眠りについてもあの夢の続きは見れませんでした。


さて、その翌日。

僕はいつものように学校に行こうとしていたのですが、

両親が話していることを聞いて愕然としました。

「ひいおばあちゃんの通夜は明日だって」

ひいおばあちゃん?

僕は両親に聞き返しました。

「そう。ちょうど昨日の夜中になくなったんだって」

昨日の夜中。

それは、僕があの不可解な夢に魘されていたとき。

僕があの光の点滅を見たときでした。

もしかすると、そのひいおばあちゃんは光となって、

最後まで僕のことを助けてくれたのかもしれません。

僕をヤツから救ってくれたのかもしれません。

僕とそのひいおばあちゃんはあまりお互いを知りませんでした。

通夜の晩。

僕は彼女に「ありがとう」とお香を捧げました。

彼女はとても長生きしていました。

もし彼女がいなかったら。

僕はあの時、どうなっていたのでしょう?

普段、あまり気にしていなかった血族の恩。

それを、彼女は僕に伝えようとしていたのかもしれません。

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曾お祖母ちゃん
2006年6月10日/投稿者:スウィーティー

今からするお話は、私が実際に体験したお話です。

当時、私は、まだ幼稚園児でした。

でも、あの時のことは、絶対、一生、忘れません。

母も父も、曾お祖母ちゃんのお葬式で、

いなかったから、私は家で、祖父母を待っていました。

でも、あいにく道が混んでいるらしく、なかなか着けないという電話が来ました。

それでも、葬式は葬式です。

母達は、電車の時間が来たので、先に行ってしまいました。

そうなると、私は自宅で一人 と言うことになります。

でも、あまり物心がついていなかったので、

別に寂しいと言うこともありませんでした。

一人で、アニメを見ていた時。

「カスッ、カスッ。。。」

何か音がしたと思って、辺りを振り返りました。

振り返っているときも、その音はやみません。

「おばーちゃーん」お祖母ちゃんかと思って、呼んでみました。

でも、何も返事はかえってきません。

TVから、もの凄い音がなったので、TVの方をふと見ると――

なんとそこには、着物を着ている曾お祖母ちゃんが

ニコニコして、歩いているのです。



「おばぁちゃん!」



私はビックリして、お祖母ちゃんに笑いかけました。

その時は、怖いなんて思っていませんでしたが、今思うと、ゾッとします。

でも、最期に私に会いに来てくれたと思うと、ちょっと嬉しいです。

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時間が止まる
2006年6月8日/投稿者:メーコ

この話は、本当に起こった話…。

事実。

あの恐怖は私にしか分からないかもしれない…。

それでもいい…。

このことを知ってもらいたい…。

私は「○○○○」という小説を、手に取った。

面白そうなホラーだと思ったから…。
本当に最初は面白かった。

でも、あとで悪夢にうなされるなんて…。全然考えてなかった。

本屋でいた…。

ちょうどサビの部分。

〜『話の内容』〜

ある男:俺はお前を殺したいんだ。
ある女:えぇっ?
ある男:俺はお前を殺す運命にある。
ある女:…。
ある男:さぁ死ぬんだ。俺が殺してやる。少し苦しむが、そんなに痛くない。
ある女:いっ嫌です!!あなたは誰?なんのために私を?
ある男:俺は、お前の祖父さ…。お前を殺すために来た。
ある女:どうして私を?
ある男:俺はお前を殺さないと、あの世に行く事ができない…。

そしてその女は無残にも、斧で首をチョン切られ、

心臓を杭で刺され、そして燃やされて、殺された…。

私は、もっと面白いものはないかと、ぺらぺらめくっていたんです。

すると、真っ白なページに誰かの顔が...

私は、えっ?と思いもう一度見直してみたんです。


気のせいか…


私はそう思った。

でも、怪しいと思って、今度は、本を閉じ、もう一度ぺらぺらめくってみました…。

「!!かっ顔!!」

おかしい絶対におかしい。もう一度見直してみてみると...

ない…。

そのあと、私は、怖くなって。本をしまい、本屋から出ようとした。

そのとき...

「俺はお前を殺したいんだ。俺はお前を殺す運命にある。」

「!!」

私は恐怖に包まれた...。怖くてさけぼうにも声が出ない。

周りの人は全然気づいてない。

私は、意識がもうろうとしてきました。

そしてバタリと倒れてしまったんです…。

ここはどこだろう…。

ある男:俺はお前を殺しに来たんだ。

「え?」

ある男:俺はお前を殺す運命にある。

(どこかで聞いた事ある…このフレーズ)

ある男:さぁ死ぬんだ。俺が殺してやる。少し苦しむがそんなに痛くない。

「いっ嫌だ…。」

(これってやっぱり…。)

ある男:俺はお前を殺さないと、あの世に行く事ができない。

「いやぁ―――――――――――――――――!!!!!」

私は、ガバッッと目を覚ました。

あたりは、ただの本屋。なんにも変わっていない。

あれは夢だったのか?でもおかしい。

気絶する前と、まったく変わっていない風景…。

まるで時間が止まっていたようだ…。

あの悪夢…。

本当に夢だったの?あの男は誰?

私は、「○○○○」という本を探した。

「ない!!!」

おかしい。さっきまで合ったのに…。

私は、あれからまたあの悪夢が襲ってくるのではないかととても怖いです。

それに、時々私の後ろで斧を振り回す姿が鏡に映っているようなきがします…。

もうホラーはみたくない…。

そんな臆病な私だけど、

ホラーが好き…。

忘れられません。

あの悪夢……。

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トイレのサダコさん
2006年6月8日/投稿者:メーコ

私は、いつものようにトイレに向かっていたんです。

中には人の気配がしました。そのときはまったく気にとめませんでした…。

私は誰がいるのかなぁ〜と覗いてみたんです。

「だれもいない…。」

私は、(人の気配が下のは気のせいか…)

と思い、そのことは忘れようとしました。

そのとき...!!

誰もいるはずのないトイレに

ドアにノックする音が…!!!

私は、怖くて、戸を開ける勇気がありませんでした。

私が入ってきた後に誰か入ってきたのも…。

と考えましたが、入って苦たら、入ってくる音が聞こえるはず…。

私は、勇気をふりしぼり、ドアを開けたんです…。


でも...


誰もいない!!!

私はいそいで立ち上がり手を洗おうと水を出しました。


そして、


鏡を見たんです。


そこに…。


黒髪の女の人が…

私は怖くて目をつぶったんです。

目を開けたときには誰もいませんでした。

もう、トイレに行くときは、友達と行くようにしています。

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祖父の笑顔
2006年6月8日/投稿者:遠藤麻耶

私には祖父が3人います。

一人は今同居している父方の祖父。

一人は福岡で暮らしている母方の祖父。

そしてもう一人が血の繋がりはなにもないですが、母の義父。

血の繋がりがある祖父は二人ともまだまだ元気ですが、義父。

つまり私がとても慕っていた祖父は、私が五つのときに癌で亡くなりました。

お酒が大好きで、生卵をこたつ布団に零してしまっても、

私は悪くないと怒る母親から守ってくれた優しくて明るい祖父。

もう二度会えないと思うと、

幼いながらに胸を締め付けられるような感覚があったのを覚えています。

曾祖母もその三年後に亡くなり、家は祖母独りになりました。

年に一度だけ、私達家族は母の故郷に帰ることが出来るのですが、

幾分遠くて時間も掛かりすぎます。

滞在期間もとても短いものです。



私が中学三年生の夏休みも、やはり故郷に戻りました。

大きくて懐かしい家が変わらずに待っていてくれたようにずっしりとかまえていました。

帰ってまずは仏壇にお線香をあげ、家族全員でお参りをします。

そして荷物をまとめて各自体を休めたり、食事の準備などをするのです。



私は高校受験を控えていたので、

祖父の使っていた部屋に勉強道具を持ち込み、

毎年のようにそこで宿題などをやっていました。

祖父の使っていた部屋は仏間の近くで、

庭に飛び出るような形になっている離れのような部屋でした。

蒸し暑く、蚊も多いですが、それ以外はとても静かで勉強するにはうってつけの部屋でした。

故郷に戻って二日目の夕暮れちかく。

私はその部屋で勉強をしていました。

母は妹を連れて夕飯の買い物へ行き、父は散歩に出かけていました。

祖母はお昼を少しすぎると仕事へ出かけてしまい、

帰るのは真夜中過ぎになるので、家には私独りでした。



フと気がつくと、カリカリと私の鉛筆の音に混じって、

仏間の畳の上を歩くような、スッスッス、という音が聞こえるのです。

誰か帰ってきたのかな?

と思い、そのときは大して気にもせずに勉強に戻りました。

しかしまた耳を澄ませると、あの音が鳴り止んでいないのです。



スッスッス、スッスッス。



気味が悪くなり、そこから逃げ出したくなりましたが、

茶の間に行くには仏間を必ず通らなくてはいけないのです。

そして私はあることに気がつきました。


古い家なので、畳の上を歩くと下の木の板がギシギシと鳴るのですが、


鳴っていないのです。


私は本当に気味が悪くなり、泣きそうになりました。

しかしすぐに足音が止まりました。

遠くで母親の声がして、仏間を歩く音が聞こえ、

私に「ただいま」と声をかけに来てくれました。

私はホッとして、母親の後をくっついて歩くようにして仏間を通り過ぎました。

母親に聞いてみましたが、父も帰ってはいなかったそうです。

夜、私達家族は仏間と襖一枚隔てた隣の部屋で寝ます。

私は一番右隅の布団で、一番仏間に近い位置で寝ました。

恐怖もありましたが、家族と一緒だったので

そんな話をしても信じてもらえるはずも無いと諦めて布団に入りました。



家族が寝静まっても、何故か私は眠れませんでした。

頭は妙にはっきりし、目もとても冴えていました。

聞こえる音は虫の鳴き声と蛙の鳴く声。

あとは静かなものでした。

すると突然、またあの足音が聞こえたのです。


スッスッス、スッスッス。


今度は仏間の近くに居たためか、何かがいる気配まで分かりました。

それはゆっくり、しかし確実に私に近づいていました。

私は怖くて怖くてタオルケットを頭から足まで被って、

ひたすら目を瞑って足音が止むのを待っていました。

気がつけば私は寝ていて、足音は止んでいました。

ホッとして、今の時間を調べようとタオルケットを退けました。

すると視界に誰かがいたのです。

体中に電気が走ったように驚きました。

そろりそろりと視線を上へ上へと上げていくと、



そこには死んだはずの祖父が胡坐を掻いて座っていました。



祖父は少し悲しそうな微笑みを浮かべて、私を見下ろしていました。

私と少し見つめあった祖父は、急に立ち上がると襖の前で消えました。

そして隣の仏間から、スッスッス。

あの足音が、私から離れるように聞こえ、ついに足音も消えました。

私はそのまま朝まで眠れないまま過ごしました。

目に焼きついたように離れない祖父のあの悲しそうな笑顔がとても気になりました。

そしていろいろと考えた結果、あることに気がついたのです。

それは曾祖母が亡くなってから、

誰一人仏壇にお経をあげる人がいなくなったのです。

祖母は仕事で忙しいし、私達は離れて暮らしているために、

ここ何年もお経をあげていなかったのです。

幼い頃は見様見真似で曾祖母の後をくっついて

お経をあげていた私でしたが、この年になるとどう読んでいたかも忘れてしまい、

ただ音読しているようにしか聞こえないと思いました。

それでも私はお経の記された冊子を片手に、

曾祖母と仏間でお経をあげたことを思い出しながら、

心を込めて必死に読み上げました。

その夜、またあの足音が聞こえました。

足音で目が覚めた私は昨日と同じ場所を見上げました。

そこには祖父がいました。

今度は生前と変わらないあの笑顔を浮かべて私を見下ろしていました。

私は起き上がり、正座をして祖父に向き合いました。

「ありがとうなぁ」

祖父は一言そう言い、私の頭に手を置いてくれました。

気がつけば私は布団の中で朝を迎えました。

それから私達が地元に帰るまでの間、足音が再び鳴ることはありませんでした。

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腹が痛い
2006年5月26日/投稿者:メトロ

これは、母の高校の先生が体験した、本当の話です。

………(仮名)小林先生の友達(仮名)浅野さんが、

一人で旅行に行くことになったそうです。

結構な遠出で、小林先生は浅野さんの車を見送りに行ったそうです。

「じゃあ、楽しんでこいよ」

浅野さんは笑って、車を発進させました。

午後3時。太陽が高かったそうです。


………しかし、夜中の0時。

小林先生が深夜番組をみていると、ふいに、

コンコン、

と、ドアを叩く音がしました。

誰だろう、と思い、ドアを開けると、そこには人影が立っていました。

「浅野?」

「ああ……」

その人影は、午後に見送った浅野さんだったのです。

こんな時間にどうした、と小林先生は尋ねました。

「どうしたんだよ、お前。……旅行は?」

「ああ、まあな………」

浅野さんの答えはあまりなっていなくて、

小林先生は訝しげに思いました。

遠出の旅行のはず、こんな時間に帰ってくるなんて、と。

しかし、その時小林先生は何も気に止めませんでした。


すると。


「なあ 小林………、腹痛止めの薬、ないか?」

「え?」

「腹が、さ。痛いんだよ……」


腹痛?と、聞くと、浅野さんはうなずきました。


「そんなの無いけど………」

見ると浅野さんの顔色は良いとはいえないもので、

少し様子がおかしいな、と思いました。

本当に腹痛止めの薬はなかったので、

「顔色悪いぞ。病院行ったほうがよくないか?」

と言いました。

「ああ……、そうするよ………」

じゃあ、と浅野さんはそれ以上何も言わず、アパートをあとにしました。

大丈夫かな、と小林先生は思いつつ、また深夜番組を観始めました。


………翌日、小林先生はある話を聞きました。


『浅野が交通事故で死んだ。』

その詳しい話を聞いて、小林先生は凍りついたそうです。

浅野さんは、旅行へ行く高速道路で、

反対車線の車と正面衝突をして夜中、亡くなった。

浅野さんの車はぺしゃんこになり、そして、

ハンドルに腹をはさまれ、苦しみながら死んだそうです。


………この話が何を意味するかわかりません。

ただ、”そういうもの”は存在するのだと、

改めて私は思いました。

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導き
2006年5月21日/投稿者:月夜

まずこの話を見るにあたって注意して欲しい事があります。

この話を見てるアナタ、アナタも私と同じ事をしてるので、

自己責任を覚悟のうえ見ていただきたいです・・・。

私はホラー系のサイトをいろいろ探しては見て楽しんでいます。

そしてあるホラーサイトを見つけ、とても素晴らしい出来と雰囲気に

すぐさまお気に入り、その後何度か訪問しコンテンツを楽しんでいました。



ある日の夜中、私はそのホラーサイトの体験談をじっくり読んでいました。

気づけば夜中の2時〜3時だったでしょうか?

外はひどい雨で、部屋の中にはその雨の音だけが聞こえます。

そんな中ふと子供の声が聞こえたのです。

最初はよく聞こえないし、空耳程度に思ってたんですけど、

時間がたつにつれドンドン子供の声も近づいてきました。

よく耳をすませば



「ママー、どこぉ?ママー、どこぉ?」



こんな夜中に子供をほっぽって、どんな親なんだか・・・。

しかしよく考えてみると・・・

夜中、しかも雨がふってるのに

子供一人で外をウロウロするのは考えにくい、

それに気のせいかどんどん私の部屋に声が近づいてくるのです・・・。




一応アパートの三階の部屋なので・・・

子供がベランダまで近づくのはありえないのです。

おかしい!と思いつつも、私は黙々とサイトの体験談を見ていました。




しかし・・・

ある事に気づいて背筋が凍りつきました・・・。

この体験談を一話読み終えると声が聞こえるのです・・・。

一話読んで次の話をクリックして開く瞬間・・・子供の声がします・・・。

私は限界がきてそのサイトをとじ、急いで布団に入りました・・・

必死に目を閉じ、寝ることに集中しました・・・。

すると聞こえはしたが声は遠ざかっていきました・・・。




もうおわかりでしょう?

私が見てたのはこのサイトこのGHOSTTAILの「JuJu」でした。

このサイトに霊能者から警告をうけたと書かれていましたが、

もしそれが本当なら私も信じます・・・。

勝手な推測ですが、その子供は幽霊で・・

もしかしてこのサイトに集まる霊の

反応かなにかに引き寄せられたのではないでしょうか?

間違いなくあの声は私の部屋に近づいていました・・・。

ただ、現在はこのサイトを見てても声は聞こえません・・・。

ただの偶然なのか、それとも何かあるのか・・・

それは私にもわかりません。

ただ偶然であってほしいものです・・・。

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おかえりなさい
2006年5月20日/投稿者:たまこ

私は夜中の墓地のそばでも

用があれば通ることができるほど極めて鈍感なのですが、

そんな私でも7年ほど前の夏、不思議な体験をしました。


当時私は夫と細い路地に面した

アパートの2階の角部屋に住んでいました。

その路地を隔てた向かいには2階建ての家が数軒ありましたが、

その中で明らかに増築した跡が見える家がありました。

そこには年の離れた兄弟が、どちらも独身で暮らしていました。

兄は70歳半ば、弟は60歳にはまだ少しありそうな年齢でした。

兄弟の名前は小畑(仮名)さんと言います。

私が暮らしていた2階の角部屋と同じ高さに増築されたその部屋に、

兄の方の痩せたおじいちゃんが寝泊りしていました。

小畑のおじいちゃんとは特段話をしたり、

挨拶も交わす機会もありませんでした。

ちょくちょく見かけ、お互いに顔を知っている程度です。

そのおじいちゃんは夏は何時も白のランニングシャツに

ベージュの作業ズボンのいでたちで、

時々増築された部屋の窓を開けて

鼻の下を手でちょろちょろとこすりながら私たちの角部屋を覗いていたものでした。



半月ほど前からか小畑のおじいさんの姿が見えなくなって

とある日曜日の朝早い時間のことです。

おじいちゃんはいつものように自分の離れの2階の窓を開け、

キョロキョロと辺りを見回してます。

禿げてわずかに残った白髪の頭をかき、鼻をこすり、いつもの仕草、

あの格好で私たちの角部屋を覗いていたのです。

「あれ、おじいちゃんしばらく見なかったけど帰ってきたのね」

そう思って傍らで寝ていた夫を起こして言いました。

夫も「うん、そうだね、窓開けて鼻こすってただろう」

と、何気なく答えたのです。

「あれ? 知ってたの?」

この問いかけに夫が言うには

「おお、今見てたよ」

「へ、どうして? あなた今まで寝てたでしょう?」

この言葉に夫は我に返って、


「そういえばそうだ、しかし夢だとしたらとってもリアルだった。
ところでお前はカーテンも開けてないのにどうして
おじいちゃん帰って来たってわかったの?」


私もこの言葉でハッと気が付きました。

そういえば朝起きてから窓も開けていないし、

どうやら2人とも同じ時間に全く同じ夢を見せられていた様なのです。

私たちは顔を見合わせると、背筋にゾッとするものを感じながら

恐る恐るカーテンを開けて向かいのおじいちゃんの家を見ましたが、

やっぱり窓は締め切られたままで人の気配があるようには見えません。

薄気味悪くはありましたが、別に嫌な感じはありませんでした。



数日後、家賃を大家の立花(仮名)さんに手渡しをする際、

思い切って訊ねてみました。

立花さんと小畑さんは懇意でしたので、何か知っていると思ったからです。

「ところで立花さん、最近小畑のおじいちゃん見かけないですね。
どうかしたんですか?」

「そうなのよ、ケンちゃん(小畑さんの愛称)ね、小脳の血管切って
2週間くらい前からそこの病院に入院しているのよ。気の毒に、
あまり良くないみたい」

あれから7年経ちました。

未だに何故、挨拶ひとつも交わしたことのない

私たち夫婦の脳裏に現れたのかわかりません。

おそらく自分が帰ってきたことを誰でもいいから

知って欲しかったのかもしれませんね・・・。

現在、小畑さんの家は道路整備計画で取り壊してしまい、今はありません。

思えばあの時、一言声をかけてあげれば良かったでしょうか?

「おかえりなさい」と・・

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父子
2006年5月18日/投稿者:ナイトメア

これは中学校の時に行っていた塾のN先生の話と

私を巡る不思議な話です。

先生が大学生の頃でした。

ある夜、仲の良い友人五人でN先生たちは飲みに行き、

その中の一人の家に泊まることになりました。


そして、居酒屋からその友人の家に向かうことになりました。

その友人の家は少し市街地から離れたところにあり、

街灯も少なく、夜になると車通りも少ないこともあいまって

不気味に感じられるところにありました。


でもその日は、一人ならばともかく、

飲み友達五人と一緒で、しかもほろ酔い気分だったためか、

深夜であるにもかかわらず五人には全然怖いという気持ちはありませんでした。

そして、近くのコンビニで買出しを済ませ、

帰る途中、少しばかり歩くことに疲れを覚えてきたのでしょう、

五人の内の一人が「この道渡って行こうや。」と言いました。

そこからその友人の家に行くには、

通常バス道に沿ってしばらく歩いた先の横断歩道を渡り、

少々折り返してわき道に入るんですが、

ガードレールを乗り越えてバス道を横断すれば

折り返し歩かなくてはいけない分をショートカットできるんですね。

しかも、深夜で車も全然通らないのでそう思うのは当然だったのかもしれません。

言葉を交わすこともなくその案に賛同した友人達はすぐさま

ガードレールを乗り越えようとしました。

その時、友人の一人が


「アカン!、すぐ戻れ!」


と怒鳴って、バス道を横断しようとする友人達を静止したのです。

当然訳の分からぬ五人は、

「ハァ、何でやねん?」とか

「車なんか来ーへんから大丈夫や。」といって横断しようとしました!


すると静止しようとした彼は、自らガードレールを乗り越え、

先頭を切って横断しようとした友人の腕を引っ張り歩道に連れ戻しました。

あまりに、その友人が必死であったため、

皆はしぶしぶながらも通常の行程で友人宅に向かうことになりました。


そして友人宅に着き、横断するのを静止した理由を皆で問い掛けたのです。

その友人は「おまえらは、信じないかもしらんけどな・・・。」と言い、

何故止めたかを語り始めました。


彼はコンビニを出たあたりから嫌な雰囲気を感じていたそうです。

そして、歩きつつふとバス道を見ると、

自分達が歩いていくほうの道の真ん中に人影らしきものが見えたのです。

彼は直感で「見てはいけない!」と思い、その人影から目をそらしつつ歩きました。

そして、友人がバス道を横断しようと提案した場所まで来たのです。

そうその場所がまさにその人影の真正面だったのです。

彼は友人達が横断しようとするまさにその時、

その人影がなんであるか分かりました。



大人と子ども二人連れだったそうです。

二人は手をつないでいたそうです。

大人のほうは右半身の原形が分からないほどグシャグシャで、

子どもには首がなかったそうです。

そして、彼は大人のほうの「それ」と目が合ってしまったそうです。

そのとき、「渡ったら、アカン!」と思ったそうです。

なぜなら大人のほうの「それ」が「ニヤリ」と笑ったからだそうです。

これが彼の見たものだったそうです。

彼はなにかで死んだ親子だったのかも知れないと言っていたそうです。

N先生はあの時彼がいなかったらどうなっていたか・・・、と言っていました。

この話を聞いていた友人達は笑いながら

「うそや〜」等と言いながらはしゃいでいましたが、

私はひどい恐怖を感じていました。

なぜなら私の父と妹は私が小学校1年生の時事故でそこで死んだんです。

その二人が私の父と妹なのか、

それとも、その二人に呼ばれて死んだのか今でも分かりません。

その場所に何度も行ってみたのですが私には何も見えませんでした。

いまもその父子はあの場所にいるのでしょうか。

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墓地の霊
2006年5月5日/投稿者:K.Y

この話は3,4年ほど前の話です。

私は以前から心霊現象といったものは体質なのかよく体験していました。

この話はその体験の中でも特にはっきりとした体験です。

その日は友達のTと友達のNの家に泊まりに行ったんです。

別に泊まるのはいつも通りで習慣のようなものでした。

そしていつもの様に話しをしたりゲームをしたり。


12時を回った頃Nが肝試しに行こう、と提案しました。

Tもそれにすぐ賛成したのですが、

私は自分の体質もあり気がすすみませんでした。


結局多数決で負けている意見が通るわけはなく、肝試しに行くことになりました。

運がいいのか悪いのか、

Nの家の近くにある小学校のすぐ隣の山中に墓地があるのです。

3人でその山中の墓地を頂上まで上ることになりました。


…2人共乗り気だった割に何故か先頭は私が歩いていました。

普段から慣れたくはないけれど慣れざる負えないので

先頭を歩く事に抵抗はなかったけれど。


雰囲気は誰が見ても絶対出ると思う様な想像通りの墓地です。

私もあーどうせまた何かあるんだろうな、と諦めていました。

しかし頂上まで上がって入り口まで降りて戻ってきても何も起こりませんでした。

珍しいなぁと思いながらも安堵して3人で帰宅しました。

が、Tが今日は泊まらずに

やっぱり帰るというので私も少し考えた後自分の家に帰ることにしました。


帰宅した時間帯は夜中でした。

正確に何時かまでは覚えていませんが。

帰宅してそのままトイレに行きました。

そして用を終わらせていると電気が消えたりついたりし始めました。

寿命かな?と思い手探りでドアノブに手をかけました。

私の家のトイレはすぐ隣に大きめの鏡があるんですが、

そこに何かが写りこんでいました。


暗くて判別はつかないけど自分以外に写る物はないしと

深くは考えませんでした。

そのまま気にせずドアを開けると寿命だと思っていた電気がまたついたのです。

あれ、と思いトイレの中を振り返ると

鏡に写った自分だと思っていた物を見てしまいました。



金色の髪をして赤い服を着た少女、日本人ではありませんでした。



その少女から目を離すことができませんでした。

ただ目が合っていなかったのが救いでした。

なんとか目を合わさないようにトイレから自分の部屋に行きました。

またか、と部屋に戻ってベッドに倒れこみ

ふとさっきまで肝試しで墓地にいたことを思い出しました。

何かがついてきてしまったみたいですが、

私にはそんなものを祓う力などはないのでどうしようもありませんでした。

そしてすぐ眠りました。

眠ってからいくらか時間が経った頃体に違和感を感じました。

金縛りという状況でした。

体が動かせず目だけ見える、そういう状態。


その時仰向けに寝ている私のすぐ耳元で女の子の笑い声が聞こえてきました。

体の自由は利かないので

私はただただその声を聞いているしかありませんでした。

しばらくするとその声はやみ、体も動くようになりました。

なんだったんだろうと思うも

よっぽど体が疲れていたのかまたすぐ眠ってしまいました。

そして今度は横になってすぐでした。

また目しか利かないので目を開けて部屋を見ていました。

すると何か部屋の中を跳ね回っている物が見えました。

暗くてなんとなく見えたので鮮明ではありませんが、

人の形をした4〜50cmくらいの何か、でした。

突然何かに見られているという強い気配を感じました。

どこからだろう、と部屋の中を見回しました。

どこを見ても部屋には先ほどの人の形をした何かしか見えませんでした。

そしてふと頭の上のほうを見ると私を見下ろしている男が立っていました。

私はその男と目が合ってしまい目を背けることができなくなっていました。

それから1分か1時間か、

時間の感覚が全くなくどれだけ経っていたのかは分かりませんが

男が口を開きました。



「○○○○あげるよ」



○○○○の部分が聞き取れませんでしたが、

私は何かとても嫌な予感がして、

「いらない!」と動かなかったはずの口で叫んでいました。

と同時に先ほどまでいた人の形をした何かも男の姿もなく

普段通りの自分の部屋でした。


私が安堵していると

部屋の外で母と妹が喧嘩している声が聞こえてきました。

うるさいなと思いもしましたが、

少しでも人と話したかったのでドアを開けて喧嘩を止めようとしました。

途端私は動けなくなりました。

直前まで部屋のすぐ前で聞こえていたはずの母と妹の姿はなく、

暗闇の中さっきまで寝ている私の上から見下ろしていた男が立っていました。

そして男が

「いらないのか、残念だな。」

そう一言行って闇の中に消えました。

それ以降も心霊現象にはたまに合いますが

この時の男や少女は出てこなくなりました。

1日限りの暇潰しか何かだったのでしょうか。

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姿無き子猫
2006年5月4日/投稿者:丼大好き

どうもお久しぶりです。以前投稿させていただいた者です。

あれは確か、13〜14年前の夏になるかと思います。

家族で長野県のとあるキャンプ場に行った時の出来事を思い出したので

この場を借りて投稿させていただきます。


キャンプ場に着いて2日目。

その日は妹を連れてテントを張った近くで遊んでいたのですが、

ふとどこからともなく何匹かの子猫の声が聞こえてきたのです。

最初は、誰かがペットの猫を連れてきているのかと思ったのですが、

よく耳を澄まして聞いてみるとどうも違うようなのです。

その声はまるで、

「お腹空いたよぉ」

「寂しいよぉ」

と鳴いているように聞こえたので、傍にいた妹にその事を話すと、

妹も気になっていたらしく、一緒に声のする方へと探しに行くことにしました。

「もしかして、誰かが捨てて行ったんじゃない・・・?」

お互いの意見は一致していました。

だとしたら、やっぱり放っておくわけにも行きませんから、

あわてて手分けして探しました。


ところが、いくら周囲を探しても子猫が見つからないのです。

声は確かに自分達の近くから聞こえているのに、

茂みや木の根元を探しても見つからないのです。

(おかしいなぁ?声はすぐ近くでしているのに・・・?)

気がつくと、自分と妹はいつの間にか

テントを張っている場所から離れた沢の近くまで来ていました。

でも、何故か猫の声は近くでしているのに、肝心のその姿は見つからないのです。

正直、自分は何とも言えない妙な胸騒ぎを覚え、

妹にはもう一度テントの方を見てくるように言うと、

改めて足場に気をつけながら猫を探すことにしました。

そこまで来ると、茂みは更に深くなり自分の膝くらいまで草の丈が来ていました。


何かおかしい・・・。


ふと目線を足元から上げると、

気をつけていたのにも拘らずいつの間にか崖の近くまで来ていたのです。

(高さはそれほどなかったと思うのですが・・・)

猫の鳴き声は相変わらず聞こえてきます。

なのに、周りに茂っている草はほとんど動かず、

誰も足を踏み入れた形跡も無い事にやっと気がついたのです。

なんだろ、これ・・・?

その時、下にあるテントの方から母親の呼ぶ声が聞こえてきました。

後ろ髪を引かれる思いを残しつつ、自分と妹はテントに戻ったのですが、

その時はあれほど間近に聞こえていた子猫達の鳴き声は聞こえなくなっていました。

その後、自分は就職活動や様々な事があり、

最近まですっかり忘れていたのですが、

昨夜風呂に入っている時に不意に思い出して投稿することにしました。

結局、あの出来事は何だったのか。

もしかすると、

あの声は何者かが、自分達をあの崖まで呼び寄せるための罠だったのでしょうか。

まさかとは思いたいのですが、ねぇ・・・。

乱文&長文、失礼しました。

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走る女生徒
2006年5月4日/投稿者:たら子

これは、私が先月体験した話です。

私は、M中学校の美術部で、

その日は部活の課題の仕上げに入ろうとしていました。

その課題というのが「M中学校内の自分の好きなところの絵を、

水彩画で描こう!」というものでした。

私の部活のメンバーは、男子は2人、女子は私を含む7人でした。

男子2人は、仲良く学校の裏庭の自転車置き場へと向かいました。

女子のうち、2人は生徒玄関へ、4人は中庭へ行きました。

私は、皆と一緒の絵を描いてもつまらないと思い、

3階の、「2年A組」の教室へ向かいました。

私が描いていると、部活の休み時間に、皆がよく驚かしに来ます。

その日も、中庭の絵を描いている4人のうちの2人(AとH)が驚かしに来ました。

「もーやめてや!」

と、私も笑ってすましていました。

それからしばらく、私たちは恋バナに夢中になっていました。

すると、Hが

「あ、休み時間終わってる!もう30分になるよ!」

と、時計を見て言いました。

「あ、本当だ、戻ろうか。」

と、Aも言って、2人が帰ろうとすると、

「今『フフフ』って声が聞こえた!今のはMだ!」

と、Hが言いました。

Mとは、中庭を描いている部員の1人で、幽霊が見えるらしく

「フフフフ」と笑うのがクセな、ちょっと変わった女の子です。

そのMは、時々中庭を描いている部員の最後の一人、

Kと一緒に、私を驚かしにくるのが日課でした。

2年A組の教室を出ると、その左隣はトイレになっていて、

さらにその左隣は2階・4階に通じる階段になっています。

声は4階、踊り場付近から聞こえたそうです。

私たちは、またKとMが驚かそうと思って隠れているのだろうと思い、

逆にこっちが二人をおどろかそうと、トイレにコソソソ〜〜っと走りこみました。

Aは1番目のトイレ、

私は2番目のトイレ、Hは3番目のトイレに入りました。


入るときに、

パタパタパタ


と、階段を上る音が聞こえました、

次にパッとトイレの個室から顔を出すと

M中女子の制服のスカートと、女の子の華奢な足が見えました。

私は、誰かが忘れ物をとりにきたのかな、と思いました。

私たちはひとまずトイレを出ると、Hもその女の子を見たそうで

(スカートの裾だけですが/Aは足音を聞いたそうです。

「今のはMやね。あの細さはMやし、あんなことするのはMしかおらん!」

と、話ながら、4階の踊り場を見ると、案の定、MとKがいました。

「今、Mトイレの前走って行ったやろ?」

と、私がMに聞くと

「え・・?行って無いよ?」

とMとKが言うのです。

確かに、その人が折り返してくるのはみてませんし、

非常階段からおりて、

Mが4階踊り場に遠回りして戻ってくるにはかなりの時間がかかります。

それ以前に、非常階段に通じる扉はサビていて、

あけるとすごい音がするのに、そのとき、そんな音はしませんでした。

教室を全部みていきましたが誰もいないんです。

「MとK。階段の所にずっと居たよね?」

「うん」

「誰か上ってこんかった?」

と私たちが聞くと

「ううん、誰も上ってきて無いし、降りてきて無いよ」

というのです。

その日の部活は中断しました。

一体、あの女の子は誰だったのでしょう?

私はあの課題を提出し、

多分もう、あそこで絵を描くことはないと思います。

ですが、あの日以来、

授業中「2年A組」の教室には誰か1人クラスメートが増えているような

そんな気がしてなりません。

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ドアをノックする者
2006年5月4日/投稿者:hikari

これは、私が中学1年生の時に体験したものです。

私はもうすぐテストがあるので

いつものように自分の部屋で勉強をしていました。

しかし、疲れていたのかあまり身が入らず、

ちょっとばかり休憩をしていました。

しばらくして、誰かがドアをノックしてきました。

私は親が監視にきたのだと思い、

あわてて机に向かうと返事をしました。

しかし、いつまでたっても誰も入ってきませんでした。

私は単なる気のせいだと思い、再び休憩をしていました。

そしたら、また誰かがノックをしてきたのです。

私は返事をしますが、やはり返事はありません。

そして、しばらくして

ドアが数センチほど開いて閉まったのです。

ほんの少し開いただけなので

ドアの向こうに誰かがいたかは確認できず、

さすがの私も恐怖を覚えました。

そして、私は思い切ってドアを開けました。

しかし、そこには誰もいなかったのです。

あれは一体何だったのでしょうか・・・

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猫屋敷
2006年4月23日/投稿者:銀猫

これは私が小学校5年の時に体験した話です。

S小学校の横には古い工場跡地があり

なぜだか知りませんが「猫屋敷」と呼ばれていました。

ある日、クラスの男子が

「なぁ、明日あいてる奴猫屋敷行ってみようぜ」

と、言い出したのです。

何人かの男子が

「いいじゃんそれ〜俺も前から行ってみたかったんだよ〜」

とその男子に賛成して次の日行くことになりました。

そして来たのは言い出した男子と

面白半分についてきた男子11人と私を含めた女子の6人でした。

いざ、入ろうとしたのはいいものの、女子の私とM以外の子は

やっぱり怖いから入るのやめる・・・。といって見張り役として残りました。

その工場はトタンの壁に覆われて

一見何処からも入れないように見えたのですが男子が

「おい!!ここから入れそうだぜ」

といい大きな穴を見つけて指を指していました。

其処から入って行ったのはいいのですが

ガラン・・・としていて、何も中には無かったのです。

もう帰ろうとしたとき、男子のKがいないことに気が付いた私は

「なあ〜Kが居らんねんけど?何処いったん?」

とWに聞いたところ

「あいつさっき階段があるっつって上っていったけど。それがどうしたん?
Tも一緒に行ったやろ?」

そのとき私とMは顔を見合わせました。

さっき、確認したときに確かにTはWの横にいたのです。

そしてMがWに

「さっきまでT、Wの横に居ったよなぁ」

と周りにいる男子に聞きました。

すると3人の男子が青い顔をしながらうなづきました。

少しの間沈黙が流れ男子の一人が

「なぁ、TとK大丈夫かなぁ?」

といいその後Nが

「お、遅すぎるやん?あいつらもう10分くらいたってんで…」

その後Wが

「様子見に行ったほうがいいんじゃねぇの?」

と言い出したのでKとTが上っていった階段を全員で固まって上っていきました。

階段の途中に窓があって覗き込むと

其処は和室のようなところで押入れのようなものがあり

その中にはおびただしい数(約50個くらい)の猫の骨がありました。

私はこの工場跡地がなぜ猫屋敷と呼ばれるか初めて知りました。

その猫の骨は人為的に詰まれたもののようで

すべてピラミッドのように詰まれていました。

そして沈黙のまま階段を上がりきろうとしたとき、下から

「こらー、君たち降りてきなさい」

という男の人の声がしました。

私達はやばいと、思いサーっと階段を駆け下り下にいる人のところに向かいました。

その人はS小学校の教師でした。

少しの間説教をくらい、許してもらえたのです。

KとTが気になりつつ、女子の待っている場所へ帰って見ると

其処にはちゃんとTとKがいたのです。

「どこ行ってたん?探したんやで」

とMが聞くとKが

「はぁ?なにいうてん?お前らが女子心配やからもどれ言うたんやろ?」

と少し怒ったようにいうと

Wが

「んなん、言うてへんわ!!
お前こそ階段があるって言うて上っていったんやろ?T連れてったやん」

と言い返したのです。

でも私達は帰れなんて一言も言っていなかったし、

出て行くには私達の後ろにあった穴を通らなければなりませんでした。

そして出て行ったTとKを誰も見ていなかったのです・・・。

少したってから私は背中に違和感があるのに気が付きました。

そして私は

「なぁ〜背中なんか付いてへん?気持ち悪いんやけど」

とくるりとみんなに背を向けたとたん女子が

「きゃーーー」

と悲鳴を上げたのです。

その声に驚いて私は

「何があったん??」

と男子に聞くと

お前の背中に今血の手形みたいなんがあったといい私の背中を指差しました。

そのとき急激な寒さに私は身震いしました。

さっきの違和感は誰かに背中を触られている感じだろうかと思うと

怖くて怖くて仕方がありませんでした。

次の日みんな何事も無かったように学校に来ていましたが放課後、

猫屋敷に行った人たち全員に変な出来事が起こったことがわかりました。

一人は夢の中で首を絞められたなどといい、

KとTは何者かに背中を押され危うく車にひかれそうになったと言っていました。

Mは数匹の猫に襲われたそうです。

Wは家の中で変な物音を聞いたりしたそうです。

これで、私の不思議体験を終わります。

猫屋敷・・・あなたの近くにあるかもしれません

もし行くときはご注意ください・・・。

あなたに不幸が訪れませんように・・・

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岡部の家
2006年4月6日/投稿者:鎬

櫻も散り始め、季節は夏へと向かう。

時折寒い風と嵐が、まだ春だと云うことを教えてくれる。


最近よく夢をよく見る。

平行世界なのか、それとも、ただの浮遊霊の夢なのか。

同じ風景、同じ家、よく『しっている』ひとたち。


――そう、よく、しっている、のだ。


誰なのだろう?

あの、死んだ目をした男は。

私の前に現れる男。

私の『家族』を殺す男は。

森林公園、展望台、こちらの世界によくにた電車、街、

でも少しずつ違う。

実家によく似た、でも違う家。



『岡部』



死んだ目をした男が、家に入ってくる。

隠れている兄弟を殺す(私には兄弟はいない)。

私は逃げ回る。

姉が死ぬ。

死体が晒される。

鮮やかな帯がだらりと畳の上に血の痕を残すように落ちている。

姉も死んだ目をして、私を追ってくる。

「サァ オマエモ イッショニ ユコウ」

私は妹を連れて逃げる、でも逃げ場所はもう無い。

「お前は私の後にいなさい!」

死んだ筈の姉に、私は斧を向ける。

「ネエサンヲ コロスノ?ねえ…鎬」

死んで、腐っていく筈の瞳。後には怯える妹。

私には、この妹を守る、否、守りたい!

「おねえちゃんは死んでるのよ!」

斧を振り上げ――

その瞬間の、悲しげな姉の瞳――



「!」



音が聞こえるくらい、盛大に目を覚まして、いつもの天井。

半身を起こして、出た言葉に戦慄する。





『お か べ の い え』





知らない。

そんな家は…。

最近続く悪夢はいつもあの家で、色々な場面が出てくる。

だけれど、あの優しい姉さんや、妹、両親、

そのひとたちを殺すあの男。

まだ最後まで見ていない。

まだ、最期まで見ていない。

今夜、眠ればまた見られるのだろうか、

「岡部の家」を。

これは只の悪夢だと思いたい。

だけれど手に残る感触。

斧は重かった。

妹の手の温かさ。

姉さんの帯の鮮やかさ。

振り上げる瞬間の姉さんの――なみだ。

色々な事をここに投稿してきた。

だけど、あの夢は『夢』と思えない程、リアルすぎる。

現実に近すぎる。

知らない老婆が夢で云う、

「岡部の家は――…しなかった。だから仕方ない」

姉が殺される、のが、仕方ない?

「岡部の家」とは何なのか。

何処にあるのか。

あれは、誰なのか。

理解らないことだらけだ。

ほどく手は唯一つ。

眠り、そして 夢を見る、それだけだ。

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励ましてくれた女の子
2006年3月14日/投稿者:めもりあるしてぃ

これは、私が小学6年生の時に実際に体験した出来事です。

ある日、大縄大会をやっていました。

大縄を制限時間内に一番多くとんだチームが勝ちで、

お菓子かジュース等、景品をもらえます。

私とKは、縄を回す役で、腕が痛くなるのを覚悟に引き受けていました。

そして、大縄大会がスタート・・・

「いち、にぃ、さん、しぃ、ごぉ、ろく、しち、はち、きゅう、じゅうっ!」

と、最初は数えていましたが、だんだん面倒くさくなって来て

心の中で数えるようにしていました。

でも、Kだけは数えているようです。


「ひゃ〜〜くっ!」と言おうとしたら、友達が引っかかりました。


私達は「あ〜ッ!」とか、「惜しかったねぇ〜!」とか言っていました。

そして、ちょっとの間休憩していると・・・



「残念だね。」



と細い声が聞こえてきました。

「えっ?今誰が言った?」私はビックリして他のみんなに聞きました。

「確か、残念だね。とか言ってたよね。」

他のみんなも聞こえていたようで、私は安心しました。

「他のチームの子かなぁ?」と、対して気にしませんでした。

でも次の瞬間、私の体は凍り付きました。

「ねぇ、誰がずっと数えててくれて他の?」とKが聞くのです。

「え?Kが数えてたんじゃない!ずっと。」私が言いました。

「え?私、数えてないよ!
めんどくさくなったから、心の中でずっと数えてたの。」

Kの言い方は、ウソとは思えません。

「え・・・じゃぁ、さっき数えてくれてたのは・・・・?」

今でも謎です。

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親友の霊
2006年3月7日/投稿者:スウィーティー

今からする話は、私が去年の夏休み(当時中2)に体験した話です。

私は、部活が終わって誰もいない家でTVを見ながらゴロゴロしていました。

勉強もちょっとだけして、いつの間にか眠ってしまいました。







何時間くら眠ったでしょう。

突然の電話で目が覚めました。

「はいもしもし、○○ですけど。」

「あっ、Y?悪いんだけど洗濯物取り囲んでくれない?
天気予報で雨降るって言ってたから。」

お母さんの声です。

「分かった。仕事何時くらいに終わるの?」

「あー・・・今日は遅くなるの。だから8時くらいになるかも。
ご飯はチキンラーメンがあるから、それ食べといて。じゃぁね」

と言う言葉とともに、お母さんは電話を切りました。

そして、私はベランダに向かおうとしたその時です。


誰かがベランダにいる。


私はそう感じました。

一階にいたのに、二階のベランダの方に人の気配を感じるなんて、初めてです。

でも、また感じました。

髪の毛がキレイで、背が高い、キレイな女の人だ。

何故か頭の中で想像がつきます。

・・・もしかして、死んだA?

Aは、私の親友でしたが、一昨年、交通事故で亡くなりました。

その時、私はどれだけ泣いたか。涙が枯れるほど泣きました。

多少怖かったけど、またAに会いたいと思う気持ちが深まりました。

そして、私はベランダの窓を開けました。

やっぱり。

いました。紛れもなくAです。白いワンピースを着ています。

「A?どうしてここにいるの?あなたは天国にいるんじゃなかったの?」

ちょっときつめに言いました。

このHPで、霊には同情するなと載ってあったからです。

「遊びに来たの、あっちの世界から。暇だったから。」

Aは死ぬ前の調子で言いました。

「………やっぱりAは、帰った方がいい。私に会いに来ちゃ駄目。」

私はきっぱり言いました。

「え?実を言うとね、私、遊びに来たわけじゃないの。あなたを天国に誘いにきたの。」

Aが言いました。

「誘いに来た?私は天国なんかに行かないわよ。いくら親友の為でも。」

私はいいました。

「そう。でも、力ずくでも私はYを天国に連れて行くわよ。」

と、Aは言い、消えてしまいました。

それから私は、Aに天国に連れて行かれることを恐れていましたが、

毎日人形やAの好きな雑誌をベランダにおいておくことで、何も現れなくなりました。

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笑い声
2006年3月4日/投稿者:黒須刹那

ある暑い夏の事でした。

私は塾からの習い事が遅くなり、しかたなく歩いて帰りました。

人通りの少ない道を歩いていると、まだ幼稚園ぐらいの女の子が

「お家分からないの・・・」と言って近寄ってきました。

私は手をつないで交番まで連れて行きました。

「おまわりさぁーん!まいごです。」と言うとおまわりさんは


「からかっているのか?どこにもいないぞ」と言いました。


みてみると本当にいません。

どこにいったのかと思いつつ、手を見てみると血だらけでした。

私はわけが分からなくなり、気絶してしまいました。

それからというもの女の子の笑い声が時々聞こえるようになってしまいました。

私はなぜかそういうものが見える体質らしく

このごろは部屋にいても、町にいてもところどころそういうものがみえるのです。

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スピーカーからの声
2006年3月1日/投稿者:スウィーティー

これは、私が最近体験した出来事です。

私はいつものようにネットでゲームをしたり、

TV番組のHPを見たりしてパソコンを使っていました。

すると、ゲームのHPに、ホップアップ広告が載っていました。

よく見てみると、怖い話と書かれています。

「なんだろう?」と思い、クリックしてそのサイトに行ってみました。

そのサイトは、このJuJuみたいに、

スピーカーからホラー系の音楽が流れてくるものでした。

しかも、心霊写真や恐怖体験など、数々の怖い物があります。

私はそこをお気に入りに入れました。

スピーカーからは、奇妙な音が流れてきます。


「死〜〜〜ね〜〜〜」とか、「た〜す〜け〜ろ〜」とか。

まるで本物の人が言っているように聞こえますが、

私はそのサイトの独特の善いところだと思い、あまり気にしませんでした。

それで、毎日そのサイトを見ていると、あることに気がつきました。


毎回音が違う・・・


そうなんです、このサイト、スピーカーから流れてくる声が日によって全然違うんです。

「・・・なんで?」と思いましたが、これもあまり気にしないことにしました。

翌日――私は、友達Aが怖いサイトを探していると聞いたので、

メールでそのサイトのアドレスを教えてあげました。

友達は大喜びで、毎日そのサイトを見ていると言ってくれました。


でも――


「ねぇ、あのサイトって、スピーカーから、変な声流れてこない?
ほら、死ねとか、助けろとか。あれ不気味だよねェ」

私が聞くと、Aは


「えっ?スピーカーから流れてくる声?私、そんなの聞いたこと無いけど。
スピーカーから流れてくるのは、可愛い音楽だよ?」と言うのです。


私はその言葉を聞いて、サイトを見るのをやめました。

あの声はなんだったのでしょう?

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高校の夏に起きた事
2006年2月28日/投稿者:スウィーティー

これは、私が1年前の夏に実際に体験した話です。

当時、私は高校三年生でした。

受験勉強で忙しい時です。

ましてや夏に勉強なんて無理・・・と思っていました。

部活もやめて、「夏休みなので勉強しなさい」と母がうるさいので、

友達とも遊べない。

そんな中、私は七月の終わり頃に自分の部屋にこもって勉強していました。

しばらくたって、疲れたのでキッチンに下りてジュースを飲むことにしました。

階段を下りるとき、誰かに見られている気がしました。

ですが、両親は仕事、妹達は部活。

誰かに見られているなど、あり得ない事です。

冷たいコーラのジュースを飲んで、TVをつけてしばらくドラマを見ていました。

ドラマも終わって、何もすることが無くなったので、私はパソコンを開くことにしました。

ウイーンウイーンという音というともに、パソコンが起動し始めました。

まだ画面が暗いとき、改めて思いました。


・・・・・・やっぱり誰かに見られてる・・・・・・


あまり気にしないでおこう、と思っても、つい後ろを振り返ってしまいます。

ふとまだ暗い画面を見ました。

私は凍り付きました。

・・・・男の人がこっちを見ている・・・・



「・・・・ギャァァァァァァァァァァ!」



私は叫んで、そこらへんにおいてある花瓶を男の方に投げました。

でも、スルリとよけられてしまいます。

「・・・誰よぉ」

私がガタガタ震えながら聞くと、

その男の人はニコーっといたずらっぽく笑って割れた花瓶を拾い、

なんと恐ろしいことにその花瓶を元通りにしたのです。

私は、これはあまり悪い人じゃないなと思い、

「ありがとう」と礼を言いました。

すると、さっきいたはずの男の人は、消えていました。

一年前の事は、未だに分かっていません。

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番組と同じ体験
2006年2月27日/投稿者:スウィーティー

これは、私が小学6年生の時、1年間実際に体験した話です。

その時、私は怖いテレビを家族とずっと見ていました。

ドラマを4本仕入れた番組です。

すごく怖かったのを覚えています。


番組が終わり、怖いなぁと思いながらもお風呂に入りました。

シャワーを浴びて、湯船につかっていると、

ふと視線を誰かに見られている気がしました。


その時は、眠たかったので、ちょっと頭がおかしくなったんだろうと、

あまり気にしませんでした。

その翌日――

私はいつものように目が覚めました。

その時は、学校は休みだったので、何もすることがありません。

しばらく今日一日何をしようと考えていると、

昨日怖い番組を録画したのを思い出しました。

「そうだ、あれを見よう」

でも、一人で見るのはちょっと勇気がありません。

なので、私は暇そうにしている弟を誘いました。

弟も、怖い話は大好きなので、OKしてくれました。

そして、ビデオを見終わった時・・・・



「ギャァァァァァァァ!」



お姉ちゃんの叫び声が聞こえました。


「どうしたんだ!?」

お父さんがお姉ちゃんの部屋に駆けつけました。

私と弟も、急いで駆けつけました。

「お姉ちゃん、どうしたの?いきなり騒いじゃって。うるさ――」

私は口をつぐみました。

そこには、長い髪と血痕が残っていたのです。

「・・・何これ?」

と聞きながら、私はふと思い出しました。

これはさっき見たドラマと一緒だ・・・

そうです。さっき弟と見ていた番組に、このシーンがありました。

「お姉ちゃん、この体験する前に、何かあった?」

番組ではこのシーンがある前に、

主人公が怖い体験をするので、聞いてみました。

「うん・・・あった・・・なんか、勉強机で勉強してたら、

誰かにさわられた気がしたの。

でも、気のせいと思ったんだけど」

私はその言葉で凍り付きました。


このシーンもあった・・・


そのような事が1年間続き、中学に入学した今はこの体験は全くありません。

あれはいったい何だったのでしょうか。

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笑う女の子
2006年2月27日/投稿者:sky

これは、私の姉が体験した話なのですが

姉がまだ中学生だったころの話です。

友達と面白半分で夜の学校に行ったのですが、

友達に二階の階段で、「ここで、ちょっと待ってて」と言われ

姉は、そこで待っていたそうです。

しばらくして上から、女の子の笑い声が聞こえたそうです。

姉は階段の方を見てみると

階段の方から顔を覗き込む、

おかっぱの髪をした女の子がこちらを見ながら笑っているのです。

でも不思議と姉は、恐怖感を感じなかったそうです。

すると女の子は、上の方へ走って逃げてしまったそうです。

姉は、その子が気になったのかその子を追いかけました。

追いかけているうちに変なことに気づきます

足音がするはずなのに自分の音しか聞こえない

ついに一番上まで登ったのに女の子は、居ませんでした。

姉が、「さっきの女の子ー!!いるなら返事してー!!」と叫ぶと



「はーい」



と、何処かから女の子の声が聞こえました。

いったいこの子は、誰だったんでしょう

今私は、この学校に通っています。

次に会うのは、私かもしれません。

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雨の夜に
2006年2月24日/投稿者:メトロ

そう、あれは冬の日の夜、

しとしとと、雨が降っていた夜でした。


私はその日の宿題を終えて、

布団の中にいそいそと潜り込みました。

予想以上に手間がかかってしまい、

時間はもう、夜中の1時を回っていました。

部屋はヒーターをつけていたので少し暖かく、

布団を完全に被らずに眠りにつこうとしました。

蒸し暑いなぁ、と思いながら

私は目を閉じて、まぶたの裏の景色を見ていました。


雨音しかない、静かな夜でした。

しとしと、しとしとと、雨粒が支配する闇。

そんな闇が、外には広がっていました。

しかし……



それは、突然闇から湧き出しました。



………しゃっ、



それは、靴を擦るような音でした。

私は最初気にも留めませんでした。

なぜなら私の部屋の外はすぐ廊下で、人がよく通るのです。

一階なのでエレベーターがあり、階段があり、エントランスがある、

そこに夜中人が帰ってきて足音がするのは当たり前なので、

人が帰ってきたんだな、と私は布団を被り直して眠りにつこうとしました。

しかし、私はふと思いました。

ふと、疑問が浮かんだのです。



………何故?



また、しゃっ、という音がしました。

連続してその音は雨にまぎれるように、

しかしはっきりと私の耳に届いてきました。



しゃっ、しゃっ、しゃっ、



私の部屋の前をとおりすぎ、玄関をとおり、

その音がだんだん遠ざかっていきました。


気のせいだ、と思いました。


心に浮かんだ疑問に、まさかそんな、と。


しかし、


しゃっ、


音が、帰って来ました。

ゆっくり、突き当たりの廊下から、また、その音が。


嫌だ………


背中に、鳥肌がたちました。

まさか自分に、こんなことがおきるなんて考えてもいなかったからです。


しゃっ、


部屋の前をとおりすぎ、エントランスをとおり………

その音が一度、止まりました。



そんな…まさか……



目に涙が浮かび、歯の根が合わないのです。



これは………本物だ。



そう、確信しました。

人がエントランスに入るとき、何をするでしょうか。

またはどうやって、そこに入るのでしょうか。


エントランスの扉を開けたり、エレベーターから降りてきたり、

階段から降りてきたりするでしょう。


しかし、その足音の持ち主は、


エントランスの扉を開ける音も、

エレベーターから降りてくる音も、

階段から降りてくる音も、



何もさせずに、現れたのです。


しゃっ、しゃっ、


嫌だ、嫌だ、嫌だ、


しゃっ、しゃっ、


嫌だ、嫌だ、嫌だ、


涙がこぼれ、体が震えました。


足音が近づき、近づき、近づき――――


そして私の部屋の前で、止まりました。


無音。


いつの間にか雨がやんでいました。



沈黙。



足音も、消えていました。



ああ。

消えたのだ、と思いました。

肩の力が抜けて、安堵のため息をつきました。


よかった………


夢だったのだろうか。

そうとも思えそうなくらいに、

あっけなく足音は、消えてしまいました。


明日友達に言ったら、
笑われるだろうな………


そう思って軽く笑い、何を思ったのかカーテンに手をかけ、

ひきあけた、そのときでした。



「………………」


手、が。


それは、手でした。

大人の、女性の、手が。

窓に、張り付いていました。

嘘だ、

目を見開いて、

それを、凝視しました。

そして。





「…………あぁああぁああぁあ」





女の人の低い呻くような呟きを聞いた

その後の記憶が、ありません。



目が覚めると、

私はベッドに倒れこむような体勢で寝ていました。

今度こそは夢だったんだろうな、と思い、

窓を見れば、カーテンが引き開けられていて、



ガラスには2つの手形が残されていました。



あれはいったい何だったのでしょうか。

私に何かを言いたかったのでしょうか。

あの雨の夜の出来事は、

一生、忘れることができません。

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物音
2006年2月21日/投稿者:まみ

始めまして、いつも楽しく拝見させていただいております。

恐怖体験というには少し物足りないものかもしれませんが、

私自身の心に残るお話を一つ語らせていただきたいと思いまして

キーボードを叩くしだいでございます。

それは、現在三十路を超えた私が未だ中学生だった頃かと思います。

季節は夏で時間はもう明け方でしたか、

不快な暑さに眠れないままに鳥の声を聞いたことを覚えています。

実家は中国地方の山の中にあり、

夜は意外に快適で寝苦しいと感じたことは今まで無く、

蒸し暑さに寝苦しく眠れないという事は生まれて初めての経験でした。


眠れないまま布団の上でごろごろしていると、ふと小さな物音に気がつきました。

それは丁度自分が寝ている真上にある二階―――

茅葺屋根の古い日本家屋の我が家では物置に使われているスペースです。

鼠か猫か鼬か……

何かが入り込んだのかなとぼんやりと聞いていると、

最初は小さな物音だったものが次第にはっきりと、明確な音になってきたのです。

それはミシリ、ミシリと畳を踏みしめる音に変わり、

二階スペースの中をぐるぐると歩き回っているような感じでした。

少しずつ、徐々に二階から下に下りる階段の方へと移動していく気配を感じ、

私は隣で寝ている母を起こしました。

しかし母は何も聞こえないといい、

母は隣の部屋で寝ている祖母を起こしたのですが彼女も何も聞こえないといいます。

しかし私の耳にははっきりと、何者かが

二階の階段を下ろそうとしているのが聞こえていたのです

(階段は跳ね階段でこのときは天井に鉤でつりあげられていました)


家のものが不審そうな顔をする中、

誰にも理解されない恐怖に駆られて泣き出しそうな私の耳に、

また新たな音が聞こえてきました。


それは、茅葺部分から張り出した瓦で覆われた軒を激しく叩く音……

何か棒のような物で繰り返し叩いているのです。


ガチャンガチャン!!


結構な大音響も家人には何も聞こえず、

なすすべも無い私は布団に包まったまま震えていました。

瓦を叩く音と二階の足音……

あまりの恐怖に引き攣っている私を見かねた祖母は

懐中電灯を持ち出し外へ調べに行きましたが、

祖母が玄関の引き戸に手をかけた途端。



ガランゴロン…カラン…



何かが落ちたような音がして、

かわらを叩く音も二階の足音もぱたりとしなくなったのです。


「おばあちゃん…音が消えた…」


言葉を呟いたことは覚えていますが、

どうやら気持ちの糸が緩んで気を失ったらしく、その後気がついたのはお昼過ぎでした。

後で祖母に聞くところによると、結局二階にも軒にも何かがいた形跡は無く、

棒のような物も発見できなかったということです。



このお話しには後日談があります。



我が家には勝手口が二箇所……

古い日本家屋であり、大きな農家の名残で

当時は厩舎があった場所に通じる勝手口と、

風呂を焚くための薪などを取りに行くための勝手口。

どちらにも勝手口上に竈神や猿神を祭った小さな神棚があるのですが、

玄関、二箇所の勝手口を順番にどんどんと叩いていく物が

三日ほどうろついていました。

それも私にしか聞こえなかったようですが…

あの経験をした夜、祖母が神棚に向かって何か拝んでいたのは知っていましたが、

そのおかげであの晩の何者かが入れなくなったのでしょうか?

拙い文章とお話しにお付き合いくださいましてありがとうございました。

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先生を呪う女
2006年2月21日/投稿者:スウィーティー

これは、私が実際に体験した話です。

その時、私はまだ小学6年生でした。

クラブ活動が終わった後、忘れ物をした事に気づきましたが、

友達は急いでいたので、先に帰って貰いました。

薄暗い教室に入り、忘れ物の宿題を取ろうとしたその時です。

何かが自分の後ろにいることに気がつきました。

振り向きたくありませんが、思い切って振り向きました。



そこには――誰もいませんでした。



「気のせいかぁーよかったぁ」と思いながら、正面を向いた次の瞬間!


長ーい髪の毛をたらした、自分と同い年ぐらいの女の子が立っていたのです。


その時は、あまり怖いとは思いませんでした。

なので、

「あの・・・誰?」と聞いてみたのです。

・・・・・

・・・・・

・・・・・

なかなか返事が返ってきません。

私はまた問いました。


「この学校の子?」


「違う」太い声でした。


その瞬間、私は悟りました。

この世の人じゃない。

「ねぇ、あなた、お母さんは?お父さんは?」と聞きました。

「お母さんも―お父さんも―殺された」太い声が言いました。

「あ・・・・誰に・・・?」

聞いて善いのか悪いのかと思いながら私はまた聞きました。

「この学校の先生にoでも、無罪放免だったの。
だから私、自殺した。ゆっといて、S先生に。お前を呪ってやるっって。」

そう言い残し、彼女は去っていきました。

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帰郷
2006年2月12日/投稿者:パクチー

こんにちは。

私が東京に出てくる前〜兵庫県の実家に暮らしていた頃のお話です。

とはいってもまだ半年前の話で、姉の息子が度々遊びに来ており、

私になついていたこともあり、よく遊んでいました。

その子供というのがひどく臆病で、

掃除機の音にすらおびえるというていたらくで、

同じ男として情けないのですが、子供だから仕方ないでしょうか。

ある日、姉一家が実家に遊びに来ており、うちの家族も全員そろっていて、

そろそろ夕食という時間でした。

姉の子供Tが好きな音楽を一緒に聞いているときでした。

しきりに玄関の方を気にしており、「どうしたの?」と聞くと、

「誰かが、こっちにおいでって言ってる」らしいのです。

家はそれほど広くもなく、信心深い家族のおかげで、悪霊の類は入れないはずです

(とはいうものの、母方の祖母以外に霊感のある人はいないのですが)。

それに、「それ」がいるのは、家のレイアウトから言っても、ほぼ中心部分なのです。

ためしにTに、「誰?って聞いてみて?」というと、

何か会話をはじめ、

私に「おっちゃん(俺のことです。とほほ)のおばあちゃんだって」というのです。

一応心当たりはあります。

父方の祖母は60代半ばで亡くなっており、父も時々その祖母の夢を見るそうです。

実は、私がごく幼い頃に亡くなっており、ほとんど記憶になく、

会話もした記憶がありません。

しかし、私が幼い頃によく遊んでくれたらしく、

また、亡くなってからも、何かと我が家を守ってくれていたらしく

(母方の祖母談)

一度こういう形でも話がしたいと思っておりました。

「どのへんにいる?」と聞きながら、近づいていくと、

怖がって「イヤ、イヤ、イヤ」というのです。

「ひいおばあちゃんだよ、怖がっちゃだめだよ。」というと、

その祖母がいる辺りに向かって「ごめんなさい」というのです。

私を通り越して話をされるのは非常に不愉快ではありますが、

仕方がないので、Tを通して話をすることになりました。

そこで、「お盆に帰ってくるもんじゃないのか?」と聞くと、

「実はお盆とか関係ないよ」と言っているらしい。ははは・・・あそう(汗

せっかくだし、写真か何かに収めたいとおもったので、

それを伝えてもらうと、「それは無理」といわれた。

やはり写真とかは嫌いらしい。


そして、ひとしきり会話が終わってから、

母の呼びかけで夕食が出来上がったことを知り、リビングに行くと、

ほかのメンバーはすでに集まっており、俺も席につく。

久しぶりの大所帯の食事だが、なぜか茶碗が一つ多い。

それを母に聞くと、





「おばあちゃんきてるんでしょ?」




普段から、仕事とか、なんやかんやで集まれない家族が集まって、

楽しく食事ができたのも、祖母のおかげかもしれない。

調理師のオヤジが作った、祖母の大好きな野菜炒めをオヤジは祖母の席に置く。

そのときボソッと父は



「ゆっくりしてってくれ・・・」



恥ずかしげにそういっていた。

その晩、夢の中で、はっきりと姿は見えなかったが、

おそらく祖母らしき人物が出てきた。



「東京に行ってもご飯はちゃんと食べないといけないよ。
お母さんにも時々連絡いれなさいよ。」


そういう小言を残して、帰って行ったみたいだ。


オヤジに聞いたとおり、おせっかいで、心配性なのは変わりないようだ。

今はいろいろ忙しくて実家に帰れないけど、ばあさんも時々帰ってきてくれよな。

あの時は会えてうれしかった。

実は一番喜んでたのは親父なんだぞ。

オヤジは子離れもできてないけど、親離れもまだみたいだ。

俺のことは大丈夫だから、オヤジを見守っててくれよ。

俺のことは・・・時々見てくれたらいいさ。

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同居人の訴訟
2006年2月12日/投稿者:荻島あきら

少し、長い話になります。
これは、私が幼かった頃、ではなく、つい最近、ここ数年の話です。

こんなことを云えば嘘くさいと思われるでしょうが、

私は「見える」ほどではないにしろ

「感じる」くらいの霊感(…?)がありました。

どうやらそれは血筋のようで

「感じる」だけに関しては母のほうが私よりも強いくらいでした。

ずっと前から、家族に呼ばれたと思いリビングに顔を出すと

キョトンとされたりするのはしょっちゅうで

キッチンで一人で作業しているのに誰かの肘とぶつかってしまったり

借りてきたホラービデオを一人で見ると砂嵐がたつくせ

家族がみるとクリアだったり髪を引っ張られたり。

それらが俗にいう「幽霊」の類なのかはわかりません。

でもそれは確かに人間なわけで。なんなんだろう?って思ってました。

そういったものを軽んじたり否定したりしようとも思いませんが

肯定もしていませんし、それに「あ、いるな」と思っても

「怖い」とは感じたこともなく、悪いものではないのだからいいかくらいな思いでした。




ただ唯一、最も強くその存在を感じ、怖いと思ったのは三年前の12月。

あの日のことは、やけに、鮮明に覚えています。




当時、受験を目前に控えていた私は、

自室で深夜まで問題集を解いていました。

採点、直しが終え、一休みいれようとしていたときです。

時間にして、たしか午前一時だったと思います。


母と、歳の離れた弟は眠っていました。

遅くに帰ってきたらしい大学生の兄は、

どうやら隣の部屋、リビングでテレビを見ていたようでした。

前の日が母の誕生日だったので、

余ってしまった料理を処理して貰おうと思いリビングに行こうとした瞬間。






背中、つまり部屋の出口となる扉の処に、誰かがいるのです。






それもいつものように怖いとは思いませんでした。

ただ、いつもと違ったのは、いると思った途端、説明しがたい違和感を感じたのです。

咄嗟に振りむいても、いつものように誰の姿もなく、

誰がいるような感じもなかったのですが、違和感だけはうっすらと残っていました。

徹夜を続けたためかとは思った反面、

リビングにいるはずの兄がとても心配になりました。

自分でも変だと思う位、焦ってました。

何気なさを装って兄を呼べば、

ソファからワックスでたてた頭と気の無い返事が返ってきました。

兄です。

いつもと同じなんの変わりない兄に、私は明らかに安堵しました

しかしまだ、あの違和感が、消えるばかりか強くなったのです。

何の異変も感じられないのに、明らかに変なことが起きてる。

そう思いました。ある意味での、警告のように思いました。


気を取り直して自分用のお茶と

兄用のスープやポテトなどの料理を用意してテーブルに並べると、

ずっとテレビに釘付けになっていた兄が不意にこちらに向いて、

顔をあげた私と目が合いました。




[あいつだ!]




思わず私は叫びそうになりました。

兄の顔に、女の子のような顔がブレのように重なったのです。

見えたわけではありません。

でも確かに、女の子が、そこにいると感じたのです。

性別まで分かったのは後にも先にも一度きりでした。

違和感が「危機感」だったのだとそのとき分かりました。

明らかに、その少女はこの家にとって異質なものでした。


「ね、兄ちゃん。」


自分でも、その少女が兄に関係ないことが分かりました。

また、兄の姿を通して見た私に関係する人物でもないことも。


「小さな女の子に覚えある?」


霊感の類一切無い兄には、

私の聞き方が余程変だったのかなんなのか、

苦笑交じりに「またかよ」とか「知るかよ」くらいの調子で答えました。

兄が口を開いたと同時か、それよりも早く、少女は兄から離れました。

そして、多分、私の正面に立ったのでしょう。

痛いほどの視線と、圧迫感。

ドライアイスを握ったような感覚に陥りました。

思い返せば、それは[恐怖心]です。

明らかに、彼女は私を睨んでいました。

少女は畏怖した私に興味を失ったように、方向転換したのち、

母と弟の眠っている和室の方へ移動しようとしました。

見えていないのが不自然なほどに、彼女の動きが私には分かり、

瞬間、自分でも驚くくらいすらすらと口が動きました。


「そうだよね。」


「関係、あるわけないよね。」


すると、なぜか、消えたのです。

少女がいなくなった。そう感じました。


朝になって母親に聞いてみてもなにも感じなかったというし、

弟は怯えるしで、結局あの時の恐怖も段々薄れてきたようでした。

それでもいつもは私をからかう兄も昨夜の私の姿がそんなに異様だったのか

それとも何か感じたのか、何も言いませんでした。

そういえばこんなことが、と弟を脅かす母の話を聞くうちに

ある一種の仮説が浮かびました。


思えば、いるはずも無い人間の存在を感じたり、

誰か呼ばれたりと、所謂[怪現象]がおこるのは全部家の中だけなのです。

いわゆる心霊スポットとか、出ると噂される旧校舎などに行っても、

私のほうが他の人間よりも疎いくらいですし。

キッチンで肘がぶつかったり、洗面所で蛇口が回ったりというのを考えると、

どうやらこの家にはもう二人ほど人間が住んでいるみたいです。

守護霊みたいな守り神ではないようで、

だからあの時私の後ろに立ったあの人は、

あの少女が自分の家に入り込んできたことを、

同居人である私にどうにかして欲しくて訴えてきたんだと思います。

それではあの少女は、一体なんだったのでしょうか。

何故あのとき、彼女は兄の元へいたのか。

そして気付いた私を睨んだ末、母と弟の元に向かおうとしたのか。

あの少女のことだけは、未だに謎のままです。

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二段ベッドの怪
2006年2月8*日/投稿者:きりあ

私が小学5年の時の話です。

修学旅行に行きました。

一日かけて山登りをし、宿泊場所であるキャンプ場に着きました。

キャンプ場といってもテントではなく、コテージ(?)というんでしょうか・・・

正式名称は知りませんがとにかく平屋の建物です。

そこに泊まったんです。

中は広い部屋と、4つの小部屋、それと水道がありました。

小部屋の中は二段ベッドが4つ、計8人が一部屋に入れます。

私は友人のYちゃんと、1つの二段ベッドを使うことにしました。

私が下で彼女が上です。


テンションが上がっていた為、

2人の間で「なんか合図決めようよー」という事になりました。

相手を呼びたい時は柵の部分

もしくはその付近を「コンコン」と叩く、という事にしたんです。

木製で硬いので、音はそれなりにします。

そして聞こえた方も同じように「コンコン」とやって返す、と決めました。

それから少し経って、早速試してみようと思った私は

柵の所を「コンコン」と叩きました。

すると一拍おいて上から「ドンドン」と返ってきました。

どうも柵ではなく、布団を敷く所(私からすれば天井の部分)を叩いているようで、

真上から音がしました。

そこを叩けばまあそんなこもった低い音がするんだろうな、と思い、

すぐに続けてもう一度「コンコン」とやると、

再び一拍おいて真上から「ドンドン」と返ってきます。

あぁ、よし居るな、と思った、その直後のことです。




上に居るはずのYちゃんが、部屋の入り口のドアから入ってきたんです。




「あれー!?今上にいたんじゃないのー?」と訊くと、

「え、さっきから顔洗いにいってたよ」と返されました。

二段ベッドはそれぞれ部屋の両側の壁に片側をくっつけてあります。

私達が選んだベッドの壁を挟んだむこうは男子の部屋だったので、

誰かが暴れて壁にぶつかったのかとも思いましたが、

あの音は本当に真上から聞こえたのです。

斜め上の壁からでは絶対にありません。

しかも、その後Yちゃんに同じように叩いてもらったら、音が全然違ってました。

・・・何だったんだろう。

4年経った今でも謎のままです。

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スライドの心霊写真
2006年2月7日/投稿者:A列車の男

これは私が小学生の頃、私自身が実際に体験した……

というよりも、全校生徒・職員が同時に体験することとなった話です。

私の通っていたN小学校には、

高学年生徒による「ボランティアクラブ」なる集団が結成されており、

たまに募金集めなどの活動もしているクラブでした。

ある時、そのボランティアクラブが、

学校近くにあるN病院についての歴史や医療状況などを

全校生徒に知ってもらうという発表企画を計画立てました。

そしてその企画は、数日後に彼らの予定していたとおり

全校集会という形式で実行されました。


発表当日、私たちは体育館に集められました。

体育館内に入った時既に照明は暗転されており、中に入って並んで座り、

近くの友人たちと楽しく雑談をしているうちに暗闇に目が慣れたようで、

ようやく館内の様子が伺えるようになりました。


体育館のド真ん中にスライド写真を転写する装置が置かれており、

舞台上に下ろされたスクリーンを真っ直ぐ見つめていました。

そしてついに(退屈な)発表の始まりです。

内容としては、病院のスライド写真が次々にスクリーン上に映されていって、

ボランティアクラブの生徒が

それに合わせて資料を読み上げるという(よくある)タイプのものでした。



開始後しばらくして、淡々とした資料の読み上げや

スライドの切り替わる音で見事に構成された「1/fゆらぎ効果」により

ウトウトしはじめた私は、突然訪れた周りの生徒たちの騒ぐ声々に目を覚ましました。

私や近くの友人たちは、騒ぎの原因が全くわからず、互いに顔を見合わせていました。

しかしそんな時、誰かが




「おい、アレ!!」




と言って真正面のスクリーンを指差したのです。

私や友人はもちろん、多くの生徒がその声に反応して一斉にスクリーンを見ました。

そしてそこで私たちは、騒ぎの原因にはじめて気付いたのです。


スクリーンに映されたスライド写真の……そう、だいたい右下辺りでしょうか。

そこには無表情な坊主頭の青年の顔面部分だけが

浮かび上がるように写りこんでいたのです。

昭和風の感じの顔つきで、心霊写真にしてはあまりに濃く、

輪郭もハッキリとしていました。

また、悲しんでいるようにも見え、笑っているようにも見え……

とにかく、確かにその顔はその写真の右下に写りこんでいたのです。


しかし騒ぎはすぐに治まりました。

誰かがこう言ったのです。


「なんだアレ、変なの!どうせクラブの奴らの仕込だろ!?」


確かに彼の言うとおり、それはあまりにわざとらし過ぎる心霊写真でした。

そして多くの人がその彼の考えに賛成し、

皆が皆クラブの仕込であると考え始めたのです。

そしてその安心感と脱力感から、今度は全校生徒が一斉に笑い始めました。

教員たちは皆の笑い声をやめさせようと必死でした。

しかし笑い声は教員たちの望みどおり、一気に消えうせることとなるのです。


それはスクリーンのスライドが次の写真に切り替わった時です。

なんと次の写真にも、全く同じ場所に「その人」が写っていたのです。

そして私を含む多くの生徒が「ある事」を見てしまいました。


スライドというのは写真が切り替わる瞬間、必ず間にわずかなブランクが空きます。

そして「その人」は……そのブランクの間もそこに「いた」のです。


そう、それはスライドの中の写真ではなく、

本当にスクリーンに浮かび上がった顔だったのです。

生徒たちはあまりの出来事に戸惑い、声を発することも出来なくなってしまったようで、

耳が痛くなるほどの沈黙が館内を包みました。

そんな中、教員のひとりが動き始めました。

彼は急いで体育館の中心に行き、スライドのスイッチを切りました。

しかしその顔はまだスクリーン上にありました。

今度は別の教員がスクリーンを片付けるため、スイッチを切りに舞台袖に走りました。

やがてスクリーンは低いモーター音の唸りをあげ、舞台の天井にしまい込まれて行きました。

しかしその間も、顔はスクリーンの流れに動じず、

ずっとその場所に浮かび続けているのです。

それはまるでテーブルクロス引きをスローモーションで見ているような光景でした。

しかも最終的にはスクリーンは完全に天井に上げられたというのに、

顔だけが舞台上に青白く浮かび上がっているのです。

そして痺れを切らした教員が、

怒り狂うように蛍光灯のスイッチを叩いて館内の照明をつけました。

明るくなった館内にはいつしかざわめきが蘇っており、

恐怖に泣きじゃくる女子生徒の声などの声が聴こえました。

そして舞台からは顔は消えており、いつもの舞台がそこに口をあけているだけでした。

あの顔は結局何だったのでしょう……。

今でもあの顔を鮮明に思い出すことができます……。

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某ビジネスホテルにて
2006年2月2日/投稿者:鎖月

私が中学校の時の、英語担当のM先生が実際に体験したお話…

数十年前…


M先生は大学を受験する為、

同じ大学を受験する友人と、その大学のある東京へ行きました。

M先生と友人は、自分たちが宿泊するホテルを探しました。

でもホテルはどこも他の受験生で一杯…

予約を取っておけば良かったのですが、M先生達はそこまで深くは考えてなかったそうです。

夕方近くなっても泊まれそうなホテルは見つかりませんでした。

さすがに焦ってきたM先生達は、

手当たり次第に空いてる部屋のあるホテルを探しました…

そして、日もほとんど沈みかけた頃、

遂に、部屋が空いているビジネスホテルを見つけました。

M先生達はチェックインして部屋に入りました。

部屋はシングルベッドが二つと机だけというシンプルなものでした。

M先生達は一日中宿泊先を探し回って疲れていたので、

受験勉強は明日にして、その日は寝ることにしました。

深夜…M先生達は、微かな音に目を覚ましました…

隣の部屋からでしょうか…何か聞こえるのです。





うう…ううう……う……う…





人…男の人の声でした。

病気か何かで呻いているのだろうか?

従業員に知らせた方が良いんじゃないか?

M先生達はそんなことを話していました。






ううう……う…ううううう…うう…






男の人の呻き声は益々酷くなります。


う…ううう…ううう…うう……〜〜〜〜


呻き声は大きくなり、更に苦しそうになっていきます。

これは大変だ!

従業員に知らせよう…

そう決めたとき…

M先生達は初めて気が付きました…

その声が…近付いて来ていることに……





ううう〜〜〜…うう……ううう〜〜





呻き声は、這うように近づいてきます…

そして…声の主は、M先生と友人のベッドの間の床で呻き始めました…


ウウ…ウ…ううう〜〜〜ウウ…ウ〜〜〜


M先生は恐怖で身動きひとつとれませんでした…

その時…呻き声がぴたりと止まりました…

友人が偶然覚えていた般若心経を唱えていたのです。

M先生はホッとしました。

ですが、友人が般若心経を唱えるのをやめると、また呻き声が始まるのです…

唱える…止める…また唱える…

それを何度か繰り返ていたその時…







「それ以上言うと殺すぞ!!!」







恐ろしい怒鳴り声に、友人はそれ以上般若心経を唱えることができなくなりました。

それからM先生達は一睡もできないまま夜が明けました…

朝になり従業員にこの事を話したM先生達は知りました。

自分達の泊まっていた部屋が、

心霊現象があるため宿泊禁止となっていた部屋の隣の部屋であったことを・・・

M先生から聞いた話はここまでです。

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