GHOST TAIL

JuJu:怖い話と百物語

百物語

真夜中他の学校にて
2000年/投稿者:(町蔵)

肝試しは誰でも一度はやるかもしれません。

私は中学生の頃、こんな肝試しをやったことがあります・・

学校の怪談はどこにでもあります。

私の学校にももちろんありました。

そこで、友人達三人と肝試しを企画しました。

昼間、教室にある自分達の机の中に 各々作った<証明書>を置いときます。

真夜中に集まり、ひとりづつ学校へ忍び込みその<証明書>を取ってくるのです。














夜 、12時を少し廻った頃 私を含めたメンバー四人が集まりました。

ジャンケンをして順番を決め、私が最初になりました。

二階の窓はどこかしら開いているものです。

器用にベランダに登り、開いてる窓を見つけ中に入りました。

もちろん赤外線探知器を跨いで入ります。

まるで怪人二十面相にでもなったような気分で 怖いとは思いませんでした。

侵入した教室は一年生の教室で 私達の教室は三階。

なんなく<証明書>をゲットした私は 非常灯の薄明かりの中一階まで降りていきました。

・・・その時です。

足音が聞こえたのです。

誰もいないはずの廊下に、私以外の足音が・・・

友人達の悪戯か?

それとも警備会社の人か?









カシュ、カシュ・・・









妙な足音です。・・・(おかしいな)。

私は咄嗟に隠れました。







カシュ、カシュ、カシュ・・・







だが、このままでは私の隠れている場所は いずれ見つかってしまう。

私は背後のドアを開けようとしました。




・・・が開かない。




焦った私は、ドアの上にある明かり取りの窓が開いているのを見て

最小限の音でよじ登り、中に逃げ込みました。

心臓がドキドキしました。

でも、おかしな足音の正体が気になって仕方がない。

あの足音はそのドアの前に近づいてくる。

私はその部屋―音楽準備室―の椅子を使い 明かり取りから廊下を覗き込みました。








「・・・!!!!」








その正体を知った時、音がするのもかまわずに逃げ出しました。

あの時の逃げ足は尋常ではなかった。

探知器などおかまいなしで、窓を開け夜の校庭に飛び出していったのです。

友人達は血相を変えた私に驚き、とにかく学校を去りました。

一刻も早く逃げなければならなかったのです!

なぜなら、私の見た足音の正体は











あの理科室の人体模型だったからです。