これは2〜3年前に母が体験したというお話です。
当時父は、仕事の都合で一ヶ月位家に帰って来れない事がありました。
普段から一週間に1〜2回しか帰って来ない父でしたけれど
さすがに一ヶ月間は家族皆で心配していました。
そんなある夜、母が寝ていると玄関の開く音がして誰かが入って来ました。
母は何の疑いも無く
「お父さん帰って来たの?」 と、玄関まで行くと、誰もいません。
おかしいなと思いながら再び寝床に入ると、今度は足音が枕元を歩いています。
「お父さん?」
そういって起きてみても、やはり誰もいません。
しばらくしてウトウトしてくると、また足音がしてくるので目を開けてみますが
やはり誰もいない・・
しかし・・・
目をつぶると、その足音は布団の周りをぐるぐると何回も何回もまわっていたそうです。
結局何だか判らないまま寝てしまったそうですが
母は、あの足音は絶対父のものだった間違えるはずないと言っています。
「きっとお父さんは家に帰りたがっているんだよ、だから心だけこっちに来ちゃったのよ。」
と母は言っていました。
父の方も実際疲れいて、とても家に帰りたいと思っていたそうなんですが。
あれは本当に父だったんでしょうか。