それは僕が小学5年生の時。
宿泊学習に行ったときの話です。
その日丁度、PM7:00からナイトハイク(肝試し)がありました。
メンバーは僕を含めて男の子4人 女の子3人の合計7人です。
ナイトハイクは宿舎の裏にある森の中で行われました。
最初は誰も怖がっている様子はなく、楽しんでいました。
しばらく歩いていると 今にも崩れそうな小さな小屋が一軒建っていました。
すると不思議なことに あるはずのない川のせせらぎが聞こえてきました。
少々不安になったメンバーですが
好奇心にかられてその小屋の正面まで歩いていきました。
すると、そこには・・・
腰下まである長い黒髪の ウェディングドレスを着た女性が立っていたのです。
最初は先生が化けているんだろうと思っていた僕たちでした。
しかしよく考えてみると、僕の通っている学校には そんな長い髪の先生は居ません。
そしてさらに・・
その女の人は足首から下が無くて、まるで宙を浮いているようでした。
メンバーの1人の女の子が「きゃー!!!」と叫びました。
女の子は無我夢中で山を駆け下り 宿舎へと一目散に走っていきます。
あわてて残りのメンバーも後を追いました。
途中、とっさに小屋を振り返ると
そこにはあのウェディングドレスを着た女性の姿はありませんでした・・
しばらくして宿舎に戻ると、誰に叩かれたのか
Sくんの顔に手の跡がくっきりと浮かび上がっていました。
しかしSくんは誰にも叩かれなかったと言っています・・・
これは後でわかった事なのですが
その夜僕たちのメンバーの他にもこういった奇妙な体験をした生徒がいたそうです。
ある生徒の腕には掴まれたような痣があったり
またある生徒には何かに噛まれたのか、歯跡があったりと・・・
生徒に限らず、先生も見たそうです。
一体あれは誰だったのでしょうか・・・